ファッション
特集 新デニム・スタンダード 第2回 / 全16回

グレン・マーティンスが語るこれからのデニムトレンド

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PROFILE: グレン・マーティンス/「ディーゼル」クリエイティブ・ディレクター

グレン・マーティンス/「ディーゼル」クリエイティブ・ディレクター
PROFILE: 1983年ベルギー・ブルージュ生まれ。アントワープ王立芸術学院を首席で卒業後、「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」でキャリアをスタート。2012年には自身の名を冠したウィメンズブランドをパリ・ファッション・ウイークで発表。13年には「Y/プロジェクト」のクリエイティブ・ディレクターに就任し、11年間同職を務める。17年には「ANDAMファッション・アワード」のグランプリを受賞した。「ディーゼル」とは18年にカプセルコレクション「ディーゼルレッドタグ(DIESEL RED TAG)」プロジェクトで協業。その後20年10月から「ディーゼル」のクリエイティブ・ディレクターを務める。25年に「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」の新クリエイティブ・ディレクターにも就任した Photographer: Arnaud Lajeunie @ Mini Title

現在のデニムトレンドをけん引する最有力ブランドの一つは「ディーゼル(DIESEL)」だ。その立役者は、2020年にクリエイティブ・ディレクターに就任したグレン・マーティンス(Glenn Martens)。「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」を含め、キャリアを通じてデニムの“実験”を続けてきた彼の生み出す、アバンンギャルドなデニムはアメリカ発ワークウエアの定義を拡張してきた。彼が見据える新スタンダードを聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年8月25日号からの抜粋です)

COLLECTION

デニムは反骨精神の象徴

WWD:近年、市場のデニムの勢いは感じる?

グレン・マーティンス(以下、マーティンス):デニムは常に若いカルチャーを力づけてきたステイプルなアイテムだ。加工やはき込みで自分仕様にした瞬間、反骨の気分が宿るから。僕は長くデニムを創作の核に据えてきたが、いまは多くのブランドが本格的に取り組み、存在感が一段と増しているとも思う。

WWD:いま「ディーゼル」のZ世代からの人気が再熱している。その理由をどう分析する?

マーティンス:就任時、「ディーゼル」は2000年代からのコア顧客が支える堅調期だった。ただ、僕自身が10代の頃に恋に落ちた「ディーゼル」とは少し離れてしまっているようにも感じたのは事実。だから僕が最初にしたことは、「ディーゼル」がこれまで多くの人たちを魅了してきた理由に立ち返ること。それは、単なるデニムブランドであるだけでなく、生意気で、反骨的で、自由な精神そのものを体現しているからなのだと思う。それは時代は変わっても、多くの若者たちの共通言語になり得ると思った。つまり、そのブランドDNAを、もう一度よみがえらせることが僕の戦略だった。最初はアーカイブを徹底的に掘り起こし、時代に合った表現に落とし込んだ。なので、僕がしたのは“リセット”ではなく、“リマインド”だったんだ。

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