ファッション
連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY 第195回

日本の夏と変わらなくなってきたミラノ&パリのコレクション

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久しぶりのメンズ・コレクション、一番の感想は「暑い」でした(笑)。いや、前から6月のミラノやパリは暑かったですが、あんなにジメジメはしていなかったと思います。それが、もう日本と変わりませんね。

とある日の夜8時半に屋外でスタート予定だった「アミ パリス(AMI PARIS)」のファッションショーは、雷鳴轟く中で始まりました。空には、明らかにヤバそうな雲(苦笑)。時々雷鳴が轟き、稲妻が見えます。ショーはぎりぎり小雨で逃げ切りましたが、終わってから数分後、3分とか5分するとゲリラ豪雨が始まりました。屋外に設置した音響装置は、大丈夫だったでしょうか?関係者の皆様、お疲れ様でした。

ヨーロッパは今、サマータイムです。夜8時半は、日本の夏で言えば、感覚的には7時半くらいでしょう。だいたい日本も、ゲリラ豪雨ってこのくらいの時間ですよね?翌日もそんなにカラッとしないパリも含め、冒頭の「あぁ、欧州も日本と変わらないな」という思いを抱く出来事でした。

ここ数年加速している印象の温暖化・沸騰化の原因はさておき、「日本と変わらない夏」になりつつある欧州で発表になるコレクションは、ある意味ユニバーサルになっている印象です。以前はトレンチコートやコットンやリネン素材でも糸をたっぷりと使ったローゲージニット、そしてさまざまなレザーアイテムを見るたび「ヨーロッパでは着る季節があるだろうけれど、日本じゃねぇ……」と思わずにはいられませんでしたが、今シーズンはパジャマのようなセットアップや、パイル素材のポロシャツ、そして極限まで薄く軽くなめされたレザーやスエードのアイテムが大豊作。日本人の我々でも、リアリティを感じることができました。この傾向は、おそらくしばらく続くでしょう。

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