アシックスジャパンは6月4日、西日本最大の直営店であるアシックス グランフロント大阪に、新感覚アクティビティー「ディスカバー バイ アシックス(DISCOVER. by ASICS」をオープンした。2025年10月13日までの約5カ月間にわたって実施する。創業哲学である「健全な身体に健全な精神があれかし」を表現するブランドスローガン「Sound Mind, Sound Body」を来場者に体感してもらうことで、普段スポーツに馴染みのない層にもアプローチする。
同アクティビティーを展開する狙いについて、同社マーケティング統括部の狩野和也部長は「これから体を動かしてみようと考えているお客さまとのタッチポイントを増やしていきたい。誰もが自然と動き出したくなるような仕掛けが詰まっている」と話す。
最大の特徴は、アシックススポーツ工学研究所が、運動とメンタルヘルス研究の第一人者である英キングス・カレッジ・ロンドンのブレンドン・スタッブス教授との共同研究で導き出した、“15分9秒”という運動時間の設定だ。狩野部長は「運動と聞くと、長時間行う必要があるのではないかと思われがちだが、実際には短時間でも心身にポジティブな影響を与えることがわかっている。この15分9秒を気軽に生活に取り入れてもらうきっかけにしたい」という。
リアルタイムで映像と音が変化
施設は「5つのフィールド」で構成。最初のフィールドでは、感情や生活習慣をモニターで診断し、個々に応じたマイカラーとマイサウンドが設定される。この2つは体験の間、ガイド役として機能するもの。2つめのフィールド「ワープ」では、光と音の演出により非日常へと誘導され、3つめのフィールド「ライト」では、参加者が自身の色の光を追って身体を動かすことで没入感を楽しめる。動きに連動してイヤホンから流れるマイサウンドも変化する。4つめのフィールド「イマーシブ」では、人感センサーと連動した360度の映像プロジェクターにより、参加者の動きに応じてリアルタイムに映像と音が変化。粒子状アバターとの対話やゲーム形式の動作を経て、参加者同士で協力してデジタルアートを完成させるという構成になっている。
最後のフィールドのギャラリー・ショップにはランニング、トレーニング、スポーツスタイルなど、アシックスが展開する多彩な商品が並ぶ。リサイクル素材を活用したランニングシューズ“ニンバス ミライ(NIMBUS MIRAI)”や、GELテクノロジーを搭載したシューズ“ゲル クォンタム キネティック(GEL-QUANTUM KINETIC)”などをそろえる。
アクティビティーは1枠最大7人の事前予約制で、専用フォームから申し込みが可能。体験時間は全体で30分、参加費は無料。車イス利用者も体験できる。終了後には、自分のハイライト映像や自身の動きから生成された音楽などのコンテンツも提供される。
「あっという間に時間が過ぎた」
メディア向け発表会には、アシックスファミリーで元卓球日本代表の石川佳純さんが登壇。体験した感想について 「光を追いかけてジャンプしたり、上から落ちてくるオブジェクトを避けたり、自分と連動したアバターでゲームをしたりする体験は、まるでテーマパークのようで楽しかった。気づけば夢中になっていてあっという間に15分9秒が過ぎた」と振り返る。
石川さんは現役引退後もランニングやスピニングバイク、スキーなど多様な運動を日常的に取り入れている。「現役時代は“勝つため”の運動を意識していたが、今は心身ともに健康でいるために体を動かすことが目的になった。これまでとは違った角度でスポーツを楽しめている」と話す。最近では15分9秒の軽いトレーニングやストレッチを毎日続けており、今後はハーフマラソンへの挑戦も予定していると話した。