9月13日に開幕する「東京2025世界陸上」まで100日を迎えた6月5日、イベント「東京2025世界陸上 100 Days To Go!」が開催され、「アシックス(ASICS)」による陸上競技日本代表チームのオフィシャルウエアなどが発表された。
「カラー&グラフィック(COLOR & GRAPHIC)」と「ライトウエイト(LIGHT WEIGHT)」「ブリーザビリティ(BREATHABILITY)」の3つをテーマに作られたオフィシャルウエアは、「アシックス」のアイコニックな“サンライズレッド”を基調に、東京の朝焼けを思わせる淡いブルーを組み合わせた“モーニンググロー”というグラデーションカラーを採用。デザインには、日本の伝統芸能から着想を得たグラフィックをあしらい、日本らしさを表現している。ユニホームや移動用などのウエアを含め、全38アイテムをラインアップする。
機能面では、選手から特に要望の高いという軽量性と通気性を追求し、独自で開発する最新技術を採用。ペットボトル由来のリサイクルポリエステルを100%使用した軽量素材を使い、縫製箇所を少なくすることで、短距離走用のトップスは前回大会の約51グラムから約46グラムに軽量化された。競技中の発汗や給水で濡れても、重さを感じにくく、快適な着用感を保つ。またアシックススポーツ工学研究所による、湿度を効果的に下げる独自の機能構造「アクティブリーズ(ACTIBREEZE)」を搭載し、不快な蒸れを軽減。アームホールも広くカットすることで、腕周りをよりスムースでストレスフリーに動かせるよう設計した。
陸上競技用のシューズは、トップアスリート向けランニングシューズ“メタスピード(METASPEED)”シリーズを、同大会向けにリデザイン。エネルギッシュなレッドを基調に、青みがかった鮮やかな“江戸紫”をアクセントカラーとして加えた。短距離および中距離(800〜1500m)用には、より少ないエネルギーでストライド(1歩あたりの歩幅)を伸ばすことを追求したスパイク型を採用。マラソン用には、最軽量で反発性に優れたミッドソールの新素材“FF LEAP”を下層部に用いた“メタスピードスカイトーキョー(METASPEED SKY TOKYO)”、同素材を上層部に用いた“メタスピードエッジトーキョー(METASPEED EDGE TOKYO)”の2種類を用意した。
イベントでは、ウエアとシューズを着用した選手たちも登場。マラソン用メッシュ素材のウエアを着た男子マラソンの小山直城選手は、「風通しが良く、着ているだけで心地よさを感じる。走っている間も汗の重さを気にせず、風を涼しく受けながら快適に走れそう」とコメント。吉田祐也選手も「個人的に好きなオレンジで、モチベーションが上がる。暑さ対策がしっかりされたウエアで、上位を狙いたい」と意気込みを語った。
女子マラソンの小林香菜選手は、「最新技術を細部まで感じられる。躍動感あるデザインのように、大会でも私自身が躍動感ある走りを見せたい」と話した。大会初日の朝に行われる女子35km競歩に出場予定の梅野倖子選手は、日本勢初のメダルを狙う。「今回のユニホームは背中が大きくカットアウトされていて、とても動きやすい。競技中に身体に水をかけることもあるが、重さを感じにくく、より前に進みやすいと期待している」と語った。
さらに、イベントでは大会のメダルとメダルケースが公開された。金、銀、銅のメダルには、大会ロゴと東京の都市コードである“TYO”を、競技場のトラックを表す8本のラインでデザイン。メダルケースには、多摩産のスギやヒノキ、ケヤキ、サクラを使用し、自然の色合いを活かした8本のストライプをあしらった木製ケースになっている。
登壇した東京都の小池百合子知事は「東京らしさ、そして日本らしさが詰まったデザイン。世界最高峰の戦いが東京で繰り広げられることにとてもワクワクしているし、このメダルを選手が首にかける場面が今から楽しみ」と語った。東京大会のスペシャルアンバサダーを務める俳優の織田裕二は、「1競技わずか3人が手にできるメダル。あらためて、その重みを実感している。選手の皆さんには、ぜひ実力を出し切ってほしい。そして、34年ぶりの東京開催を、より多くの方に国立競技場で体感してもらえたら」とエールを送った。