アシックスが6月からグランフロント大阪店で開催してきた体験型イベント「DISCOVER. by ASICS(ディスカバー バイ アシックス)」が、約4カ月にわたる会期を終えた。
ブランドスローガン “Sound Mind, Sound Body(サウンドマインドサウンドボディ)”を来場者に身近に感じてもらうことを目的に開催。アシックス独自の研究によって導きだされた、ココロにポジティブな影響を与えることができる運動時間“15分9秒”のプログラムを体感できる場となった。
同社マーケティング統括部の中村祐美子さんは、同イベントの意義について、「短時間の運動でも心身にポジティブな影響を与えることができる。このアクティビティーでは、多くの人に身体を動かすことの楽しさや心が満たされる体験をしてほしいという思いから企画した。15分9秒の運動習慣を日常生活に取り入れてもらうきっかけになったのでは」と話し、予想以上の成果が得られたことを明かした。
アクティビティーは体験ゾーンと販売ゾーンの2つのエリアで構成された。まず、参加者自身が入力したデータにもとづいてマイカラーとマイサウンドが付与される。マイカラーを追って身体を動かす没入感のあるインタラクションを体験した後、次のフィールドでは、壁面に登場した粒子状アバターと対話し、ゲーム形式の運動にも挑戦。参加者の動きに応じて音と映像が変化するという新感覚のアクティビティーが特徴だ。最後は、参加者全員で協力してデジタルアートを完成させる演出があり、友達同士や家族で楽しめるのも好評だった。
参加者を対象にしたアンケートによると「15分9秒があっという間だった」「短い時間なのに身体を動かすと心が前向きになった」という回答が散見され、15分9秒の運動の効果を実感した参加者が多かった。また「“Sound Mind, Sound Body”を実際に体験してもらったことで、アシックスの創業哲学にも理解を得られたのではと感じている」という。
参加者の年齢層は幅広く、中には普段、運動習慣のない人も多かったという。「久しぶりにこんなに動いた。大変だったが、運動の気持ちよさを思い出した」「自分の運動不足を知らされ、運動しようと思うきっかけになって良かった」「インスタを見て楽しそうだと思って予約したが、想像以上に楽しかった」といった声が寄せられた。
期間中の来場者数は、目標比9%増を達成。友人やカップル、家族、一人での参加などさまざまで、リピーターや新規客も多かった。また、同時期に大阪市内で国際規模のイベントが開催されたこともあり、国内外から来阪した観光客の姿も目立った。
会場内には、アクティビティー体験後の導線上に販売エリアを併設。ビジュアルでライフスタイルイメージを表現したことから、「こんなおしゃれな服があるとは知らなかった、普段着としても取り入れやすい」といった声が聞かれ、アシックスの新たな側面を印象づけた。実際、アンケートでは、体験前に「競技向けブランドのイメージ」と回答した人が、体験後には「ライフスタイルに寄り添った、日常使いできるブランド」へと認識が変化したことが分かった。
同社は同イベントを一過性のプロモーションではなく、ブランドの哲学を「体験」として伝える試みと位置づける。東京2025世界陸上でも、アスリートの心の動きを体感できるイベントを実施。今後も引き続き、“Sound Mind, Sound Body”の理念をさまざまな形で発信していきたい考えだ。