
パリ、ミラノ、NY、ロンドンのファッション・ウイークで発表された多彩なコレクションから、2025年春夏に注目すべき素材、色、柄を分析した。素材のポイントは、猛暑を見据えた軽やかさ。 オーガンジーやシフォンなどのシアー素材やロマンチック&フェミニンなムードに欠かせないレース、薄手のコットンやリネンなどが多用された。色も清涼感のあるパステルカラーやホワイトが多出。アクセントカラーでは暖かな日差しを想起させるオレンジやイエロー、宝石のようなジュエルトーンに注目だ。そして柄は、昨シーズンから継続のアンティーク調の花柄が充実。定番のストライプやチェックの今季らしいポイントも紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2024年11月11日号からの抜粋です)
MATERIALS
1_シアー
近年シアー素材はシーズンを問わず登場するが、この春夏は実に多種多様。オーガンジーやシフォン、ジョーゼットからチュール、メッシュ、フィッシュネットまでが見られた。ナイロンやハイゲージニットも透けるほど薄く軽やかだ。
2_レース
シアー素材と並んで、レースは今季のロマンチックやフェミニンなムードを表現するために必須。繊細な模様だけでなく、素朴なアイレットレースもある。また、「マックイーン(McQUEEN)」はクモの巣のようなデザインで甘さの中に毒気をプラス。
3_薄手のコットン&リネン
暑い夏に向けて、薄手のコットンやリネンも活躍。ポプリンやボイル、ガーゼなど、通気性や吸水性に優れた着心地の良いものがそろう。伝統的な和紙に着目した「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」はヘンプやリネンを多用し、素材の可能性を探求。
4_デニム&ツイル
ボトムスやアウターを筆頭に、デニムやツイルなどワークウエア由来のタフな素材使いも引き続き。軽いオンスやウオッシュ加工を生かして、より滑らかに仕上げた提案も多い。きらめく装飾でコントラストを描いたジーンズにも注目。
5_シルキー
ドレスやスカートを中心に、上品な光沢と滑らかさを併せ持つシルキーな素材も見られた。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「フェラガモ(FERRAGAMO)」など、美しいドレープやヒラヒラ揺れる裾、綺麗な発色、スカーフ風プリントを生かしたデザインが際立つ。
6_手編みニット
透かし編みやクロシェ編みなど、涼しげでクラフト感のあるハンドニットは開放的なムードに合致。平紐を編んだドライタッチのニットにグラデーション染めを施した「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」など、職人の技巧を感じる提案が印象的だ。
7_スエード
ボヘミアンなムードの高まりもあり、定番素材のレザーではスエードをはじめ起毛革が増えている。色はベージュや茶系が圧倒的だが、くすんだパステルも今季らしい。アイテムはアウターだけでなく、スカートやショーツも。
COLORS
ホワイトで生み出す清涼感
1_褪せたようなパステル
パステルは毎シーズン登場するが、今季は日に焼けて褪せたような少しくすみのある淡い色合いが特徴。シアー素材との組み合わせが多い。注目は、「クロエ(CHLOE)」や「アクリス(AKRIS)」が用いたピンクやピーチ、アプリコット、イエローなどの暖色系。
2_ピュアなホワイト
ピュアホワイトのコーディネートも涼しげで好印象だ。透け感を生かしたガーリーやフェミニンなスタイルからスーツまでが登場。「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA)」は、創業者時代に通じる真っ白なペイントをウエアやシューズに施した。
3_新定番ブラウン&ベージュ
アースカラー人気の流れからワードローブの新たな定番色としてさらに広がりそうなのは、ブラウンとベージュ。「エルメス(HERMES)」や「フェンディ(FENDI)」のようなワントーンやトーン・オン・トーンでまとめたコーディネートを参考にしたい。
4_眩しいオレンジ&イエロー
旬なアクセントカラーは、暖かな日差しを想起させる鮮やかなオレンジとイエロー。単色を全身でまとうのは難易度高めだが、ブラウン×オレンジやイエロー×パステルピンクなど、他のトレンドカラーとの組み合わせで取り入れると楽しめそうだ。
5_リッチなジュエルトーン
ルビーやアメジスト、エメラルドといった宝石のような色彩は、深みのある鮮やかさが魅力。光沢素材との相性がいい。好例は、ショー終盤にジュエルトーンを連打した「サンローラン(SAINT LAURENT)」や独特の色柄合わせを見せた「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」。
PATTERNS
アンティークフローラルが百花繚乱
1_アンティークフローラル
定番の花柄は昨シーズンに続き、古い壁紙やインテリアをほうふつとさせるアンティーク調のデザインが充実。印象派の作品から着想した花をジョーゼットにプリントした「ロエベ(LOEWE)」など、特に絵画のような繊細なモチーフが多い。
2_ハンサムなストライプ
ストライプは、ビジネスウエアに見られるハンサムな柄が目立つ。そのままスーツやシャツに用いるだけでなく、多様なアイテムに落とし込まれているのが特徴。「ケイト(KHAITE)」は、紺地のピンストライプをオーガンジーにのせて軽やかに仕上げた。
3_落ち着いたチェック
チェックは、グランジムードに通じるダークカラーや褪せたような配色で描く落ち着いたデザインが増えている。そこに、大きなリボンやラッフルといったファンシーな装飾を掛け合わせたコントラストある提案が新鮮に映った。
4_クラシックなドット
クラシックなフェミニニティーの表現として、ドットも見られた。代表的なのは、創業者を象徴する要素を取り入れた「ヴァレンティノ(VALENTINO)」。定番の黒×白だけでなく、さまざまな配色でテーラードジャケットからドレスやスカートまでを彩った。
5_マリンテイスト
春夏らしいマリンの要素は、柄とグラフィックの両方で登場した。不朽のマリンボーダーは、プレッピームードの演出に効果的。夕暮れのビーチやヤシの木、イルカを描いた大胆なプリントも、夏のリゾート気分を盛り上げる。