ファッション
連載 本明秀文のノットスニーカーライフ

本明秀文の“ノット”スニーカーライフ「シュプリーム復活へのシナリオ」

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アトモスの創業者・本明秀文さんの独自の目線と経験から、商売のヒントを探る連載。「シュプリーム(SUPREME)」の最初のM&Aは2017年。当時、創業者のジェームス・ジェビアは、投資会社に株式を売却することで、ストリートキッズの間におけるブランドの価値が傷つくことを危惧していたという。あれから7年間、資本主義に翻弄され続ける「シュプリーム」を横目に見ながら、ストリートキッズの心は、決して平穏ではなかっただろう。「シュプリーム」よ、復活の狼煙を上げてくれ。(この記事は「WWDJAPAN」2024年8月5&12日号からの抜粋です)

本明秀文(以下、本明):パリ五輪の“スケートボード男子ストリート”で堀米君が優勝して、昨年発売した“堀米ダンク”がリセール市場で再燃しているね。でもかつての「ナイキ(NIKE)」は大会に合わせて、しっかり“オリンピック商材”を仕掛けていた。2004年アテネ五輪のときには、アトモスで五輪カラーの“エアマックス95 (AIR MAX 95)”を別注させてもらったり。“堀米ダンク”も本当はこのタイミングで新作が出れば良かったんだろうけど、どんどんいい若手が出てくるから選手の入れ替わりも激しいし、スニーカーを仕込むサイクルに合わない。あとは、やっぱり若い人が五輪を見なくなったんだと思う。選手に罪はないけど、ファッション業界やスニーカー業界にとって、あまり特需はないのかもね。

──SNSの普及で世界的にトレンドが似ているので、再燃後の“堀米ダンク”のリセール価格が5万〜6万円で落ち着いているのは、日本人“から”の人気が高いんだと思います。原宿に来たインバウンドが買って帰るわけではないだろうし。

本明:そうだね。インバウンドといえば、「シュプリーム」が夏のセールをしなかったのもインバウンドのおかげらしい。NYでは中学生が着る服になってしまったけど、中国人や韓国人には変わらず人気がある。

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