米エンターテインメント企業およびタレントエージェンシーのWMEグループ(WME GROUP)は8月3日、ニューヨーク・ファッション・ウイーク(New York Fashion Week以下、NYFW)の知的財産(IP)と商標、ロゴのほか、関連するウェブサイトやSNSアカウントなどのデジタル資産を、米メディアおよびエンターテインメント企業シグネット・ファッション(SIGNET FAHION)に売却した。金額は非公開。取引の対象には“New York Fashion Week”に加え、“NYFW”と“NYFW: The Shows”に関する権利が含まれている。
WMEグループは、本件に関する米「WWD」の問い合わせに対して「ノーコメント」と回答。シグネット・ファッションは、「NYFWのグローバルなレガシーを土台に、ライブ番組、デジタルコンテンツ、メディア制作、ブランドとのパートナーシップなどにより、年間を通じてのオーディエンス・エンゲージメントを拡大していく」と声明を発表した。
NYFWのスケジュールは引き続きCFDAが管理
NYFWの公式スケジュール管理やガバナンスは、今後もアメリカファッション協議会(COUNCIL OF FASHION DESIGNERS OF AMERICA以下、CFDA)が手掛ける。これに関する名称およびIPである“The Fashion Calendar”と“Official New York Fashion Week Schedule”も引き続きCFDAが保有する。
CFDAのスティーブン・コルブ(Steven Kolb)社長兼最高経営責任者は、「NYFWの公式カレンダーは長年にわたってCFDAが責任を持って管理しており、今後もそれは変わらない。私たちはシグネット・ファッションによる今回の投資を歓迎し、デザイナーへの新たな機会の創出や、NYFWのさらなる成功に向けた同社の努力や貢献に期待している」と語った。
2年前から“NYFW”の売却を検討?
WMEは、米タレントエージェンシーのウィリアム・モリス・エージェンシー(WILLIAM MORRIS AGENCY)とエンデバー・タレント・エージェンシー(ENDEAVOR TALENT AGENCY)が2009年に合併して誕生。14年に競合のIMGを24億ドル(約3744億円)で買収し、後にWMEやIMGなどを擁する持株会社WMEグループを設立した。そのIMGは01年、CFDAが1993年に設立したNYFWの初期の運営組織セブンス・オン・シックス(7th on Sixth)の商標を買収している。これにより、IMGはNYFWの運営や制作、プロデュースなどを手掛けるようになった。芸能事業などとのシナジー効果を狙ってのことだったが、ここ数年はNYFWのマネタイズに苦慮。WMEグループはファッションショー事業を縮小し、祖業であるタレントエージェンシー業務に軸足を移している。なお情報筋によれば、同社はおよそ2年前からNYFW関連の資産を売却しようと試みており、複数の買い手候補と接触していたという。