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パリ事務所で下着ノウハウを吸収するために行ったこと 【ユニクロインナー、グローバル化への道:後編】

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ユニクロ(UNIQLO)」ウィメンズインナーチームの炬口佳乃子(たけのくち・かのこ)商品企画担当部長と小林里実ユニクロR&D ウィメンズインナーデザイナー、担当パタンナーの3人は、2023年4月に東京からファーストリテイリング イノベーション センター パリ(Fast Retailing Innovation Center Paris、以下FRICP)に異動した。インタビュー後編となる今記事では、異動から1年たって日々パリでどのように働いているのか、現地チームとどう連携しているのかを、炬口部長、小林デザイナーにパリで聞いた。

――ウィメンズインナーチームがパリに異動した理由に、ファーストリテイリング傘下のインナーブランド「プリンセス タム・タム(PRINCESS TAM TAM)」(以下、プリタム)チームとの連携があると今回のインタビューの前編で聞いたが、具体的にどのように連携しているのか。

小林里実ユニクロR&Dウィメンズインナーデザイナー(以下、小林):私とパタンナーは、「プリタム」のデザインチームと同じ部屋にデスクを置き、フィッティングチェックを一緒に行っている。他にも、デザインの相談をしたり、一緒にレースの選定をしたり。FRICPにはサンプルを縫製する設備が整っていることに加えて、「プリタム」で歴代使用してきた生地やレース、リボン、テープなどがそろっており、イメージしたことをすぐ形にできるのは大きなメリットだ。

――世界でチームを作って働いていくことは、まさに柳井正ファーストリテイリング会長兼社長が重視していることでもある。この1年で、デザインやフィッティングに対する考え方にはどんな変化があるか。

小林:アジア人と欧米人では体形が異なるので、その違いを間近で見ることで、さまざまな体形に合いやすいデザインが見えてきた。どんな体形の人にも合うブラジャーを作るのが私の仕事。その観点から、グローバルで通用する構造を考えた結果、今春リニューアルして発売した“ワイヤレスブラ 3D ホールド”には、胸の形に合わせてじんわりと伸びるパーツを採用することにした。

炬口佳乃子ユニクロ商品企画担当部長(以下、炬口):実は、われわれが昨年4月にパリに異動した直後が、今春リニューアルした“ワイヤレスブラ 3D ホールド”の最後のフィッティングチェックのタイミングだった。その時に「プリタム」チームと連携してパターンメーキングに入ってもらい、最後の詰めをじっくり行った。それがグローバルでのフィッティング向上につながり、購入者の評価得点が海外でも日本でも非常に高まった。お客さまから集まったコメントを読むと、リューアル前の商品と比較して評価してくださる方が多く、今回の改良が間違っていなかったと確信できた。それは非常に大きな成果だ。

小林:もちろん、パリに異動する前もグローバルフィッティングはニューヨークに出張して行っていたが、時間も回数も限られていた。それが、同じモデルを起用して改良後に確認ができたり、同じサイズでも体形の異なるモデルで試すことができたり。それらを全て自分の目で確認できている。欧米人体形でのフィッティングという意味では、間違いなく頻度と濃度が濃くなった。

課題は「ユニクロ」インナーが
欧米で知られていないこと

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