ファッション
連載 齊藤孝浩の業界のミカタ

小売業の姿をした金融企業、丸井Gのビジョンに見る未来の商業施設の選択肢【齊藤孝浩のファッション業界のミカタVol.38】

有料会員限定記事

 企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」(共に日本経済新聞出版社)の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回は丸井グループの財務諸表から、同社のビジネスモデルの進化を解説する。(この記事は「WWDJAPAN」2022年6月13日号からの抜粋です)

 時代の変化に対応して先を行く商業施設の一例として、今回は丸井グループ(以下、丸井)の動向に注目します。

 もともと丸井は月賦を提供する百貨店で、私と同じか上の世代の人たちは、みんな赤いカードを持っていましたよね。さらにここ何年かで、百貨店型の消化仕入れ型から、テナント誘致型、不動産型にシフトしています。そして今、クレジットカードを核にした金融会社に生まれ変わり、これからはそこで稼いだキャッシュフローを未来型の企業に投資するという、投資会社に生まれ変わろうとしていることが読み取れます。

 まず注目したい数字は総取扱高で、3兆3734億円です。これだけ多くの流通に関与できているのはクレジットカード、エポスカードの利用金額3兆円超があるからです。

この続きを読むには…
残り2598⽂字, 画像3枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

Timeless, Yet New 変わらない吉田、世界を変える【WWDBEAUTY付録:今こそ立ち上がれ、日本化粧品】

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。