ファッション
連載 You’d Better Be Handsome

マルチタスクな世界の注目インフルエンサーたち まだ、あなたが知らないニューヨーク最新トレンド

 ニューヨークのファッション業界で活躍するクリエイティブ・ディレクター、メイ(May)と、仕事仲間でファッションエディターのスティービー(Stevie)による連載“You’d Better Be Handsome”の22回目。今回はセレブ情報に詳しいレイチェル(Rachel)が、インフルエンサーについて疎いメイとスティービーに、いろいろと教えてくれることに。どんなカテゴリーにも今どき必ずそれぞれの“インフルエンサー”がいるわけだし、マスとファッションが交差するあたりにフォーカスしてみることに。英語というグローバルランゲージの持つ力か、フォロワー数も圧倒的に多いグローバルインフルエンサーたちの魅力、個性、ビジネス展開を読み解いてみたい。

 近郊農家から取り寄せる旬な素材を使ったコースで知られるGEM。その日のコースの素材がどこから来たのか、マップまで用意されているというこだわりよう。肉や魚はほんのちょっとで野菜が中心のメニュー。春ということもあり、見た目にも美しいエディブルフラワーがふんだんに使われている。オーナーシェフは、弱冠23歳のフリン・マックギャリー。GEMは彼が19歳のときにオープンしたレストラン。料理界の“ジャスティン・ビーバー”と呼ばれるのは、極端に若いときから活躍していることと、そのスイートなルックスゆえ?店内には草花が飾られており、ゆったりした雰囲気。特別な日のディナーにおすすめ。140ドル(約1万8200円)のコース(8-10品)のみ。ナチュラルワインも充実しており、80ドル(約1万円)でペアリングもできる。

GEM
116 Forsyth Street
New York, NY 10002
www.gem-nyc.com

意外性で話題のインフルエンサーはこの人

メイ:次から次に、新しいインフルエンサーが出てきて、全くついていけないけど、その一方ですでに知っている人のインフルエンサー的活躍は情報として入ってくる気がする。

スティービー:すでに名前を知っていて、その人のインフルエンサーである前の活動を知っているからね。例えば女優であったり、ミュージシャンであったり、パーソナリティーであったり。

レイチェル:その手のいい例は、最近のマーサ・チュワアート(Martha Stewart)とか?料理やガーデニング、手芸などを中心にしたセンスが認められ、元祖「カリスマ主婦」として雑誌からテレビ番組まで持っていて、アメリカ人ならみんな知っているけど、すでに80歳を迎えている。

メイ:御年80歳の彼女がなんとTikTokを始めて、Z世代が欠かさずチェックするアカウントにまでなっているって知っていた?きっかけは、今年2月に彼女がアップした「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」がスポンサーをした動画。80歳できれいなセルフィーを撮るためにはいかに「クレ・ド・ポー」の商品が必要かを、少し雑?とも思える編集方法で説明した、かなり“ゆるい”動画に仕上がっている。

スティービー:マーサを思いついた資生堂の担当者はすごいよ。動画の最後にいろいろな言い方で“クレ・ド・ポー”と連呼するのが、確かに耳に残る。実は“クレ・ド・ポー”だけじゃなくて、「スケッチャーズ(SKETCHERS)」のスニーカーの広告にも登場していて驚いたよ。

レイチェル:ラッパーのスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)と仲が良くて知られているけど、二人してライターの「ビック(BIC)」のテレビ広告にも出たり、実は引っ張りだこ。

メイ:デジタル世代ではないマーサが、このソーシャルメディアの波に乗れたのは、いいチームを持っているからかも?

スティービー:以前にビデオ撮影した70代の某ファッションデザイナーのライティング担当をした人は、名前は覚えていないけど、みんなに“マーサの照明をやっている人”と呼ばれていた。年配の女性をきれい見せてくれる技術を持っている彼に、絶大なる信頼を寄せていたよ。

レイチェル:要するに、きれいに見える照明をセットアップしてくれる人がいて、コンテンツを考えてくれる人がいて、今っぽく編集してくれる人がマーサにはいるってこと。別に頑張って仕事しなくてもいいから、ちょっとした趣味なのかも?そのゆるさがウケている気がする。TikTokって、決まりすぎていない方がいいんじゃないかと。

メイ:若者にはないもの、それは築き上げてきたお金とコネクション!いくら80歳とはいえ、元祖メガインフルエンサーだから、そのパワーを集結したらできないことは何もない。どれだけの人が彼女のアドバイスに従って、家の改装をして、感謝祭のメニューを考えたか、ってことだから。

Z世代のトッププレイヤー

スティービー:僕たちの中でも何回かZ世代を話題にしたけど、Gen Z=Z世代とは、基本的には1997年から2013年前後に生まれた子たちの世代名であるジェネレーションZの俗称。つまりは、10歳から25歳くらいまでの子たち。もちろん、誰に聞くかによって定義に多少の差異はあるけれど。

レイチェル:インスタグラムで人気なのは俳優のゼンデイヤ(Zendaya)。25歳だから、ぎりぎりZ世代に入る。彼女のインスタグラムは1億4000万人のフォロワー数を超え、YouTubeは 390万人のチャンネル登録者、8万7000人のTikTokフォロワーがいるの。同じく25歳、トップモデルのベラ・ハディッド(Bella Hadid)のインスタフォロワー数は5200万。この人たちは、間違いなくメガインフルエンサーの域。本当のトップは、リアリティーショーのスターで、カーダシアン家の24歳のカイリー・ジェンナー(Kylie Jenner)でインスタグラムのフォルワーは、約3億4000万人。

メイ:この世代がなんと言っても、最もソーシャルメディア的に活発そうだからね。実際はどうなんだろう?

スティービー:やっぱり Z世代が一番アクティブで、毎日チェックしている人が全体の50%。ミレニアル世代は同44%、X世代は37%、ブーマー世代は26%というリポートがある(STASTICA調査)。

メイ:ゼンデイヤのように、役者という仕事で大成功している人のフォロワーが多いのは分かりやすい。2019年の夏に始まったHBOテレビシリーズ、「ユーフォリア(EUPHORIA)」のシーズン2が今年の1、2月に放映されて、これもまた大ヒットだったし。

レイチェル:ドラッグとメンタルをテーマとする高校生ライフのドラマ。すごく残酷なストーリーで強烈なイメージだったけど、実際によくできていた。その中で主役のルー(Rue)を演じるゼンデイヤの演技がすごすぎて、ただのきれいな役者じゃないことを証明できたのも、Z世代に支持されている理由かと。

スティービー:高校生を演じているけど、彼女もすでに25歳。あの内容を本物の高校生が演じていなくてよかったと内心ほっとしたよ。

メイ:ゼンデイヤが役者として成功しているだけじゃなくて、ソーシャルメディア上でも人気だから、次々とスポンサーがつくというのもあるよね?パッと思いつくだけでも、「ブルガリ(BVLGARI)」、「ランコム(LANCOME)」とか、メジャーなものばかり。

レイチェル:ベラはフォロワーが多いけど、モデル業に専念しているという印象が強い。インフルエンサーというカテゴリーには属さないかも?

スティービー:ここで忘れてはいけないのが、Kポップのスターたち。インスタのフォロワー数はさておき、YouTubeでの再生回数やサブスクライバー数が圧倒的に多い。中でも、BTSやブラックピンク(BLACK PINK)は、ダンスがうまいってこともあって再生数のケタがアメリカのポップシンガーの数倍!

平凡な高校生からメガインフルエンサーへ

スティービー:ゼンデイヤやスーパーモデルたちはほかに仕事があるとして、中には“インフルエンサー”を本業にしているインフルエンサーもたくさんいるよね。

レイチェル:もちろん!一番の例は、2004年生まれ、弱冠18歳のチャーリー・ダミリオ(Charli D’Amelio)かな?Z世代から絶大な支持を得ているTikTokerの一人で1億4000万人のフォロワーがいる。はやりの曲に合わせたダンス動画を投稿し始め、Tik Tok史上、1億人のフォロワーに到達した最初の人としても知られていて、その人気はHuluでドキュメンタリー番組が作られるほど。

メイ:ダンスも上手だけど、飛び抜けてうまいわけじゃないし。かわいいけど、普通といえば普通…。でも気になる?みたいな。何がウケるか分からないけど、「プラダ(PRADA)」から声が掛かったり。あっという間にあか抜けてきてしまって。普通の高校生が、放課後、友だちと遊んでいるみたいな、なんでもないコンテンツだった気がするんだけど。

スティービー:その昔ジェニファー・アニストン(Jennifer Aniston)が“ガール・ネクスト・ドア”と、まるでどこにでもいる人のような表現をされていたのに似ているかな?特別な美人でもなく、でも人気とともにあか抜けていくみたいな?

メイ:X世代以上の私たちには分かりやすい例ね。超人気ドラマ「フレンズ(FRIENDS)」を今観ると、当時からキラキラしてたわけだけど。

レイチェル:姉であり同じくインフルエンサーのディキシー・ダミリオ(Dixie D'Amelio)とコスメラインや「ソーシャル ツーリスト(SOCIAL TOURIST)」というファッションブランドも立ち上げたり、インフルエンスを拡大中。

スティービー:「ソーシャル ツーリスト」は、「ホリスター(HOLLISTER)」の一ラインだよね??アバクロンビー&フィッチ(ABERCROMBIE & FITCH)グループのカジュアルブランドの「ホリスター」もずっと厳しいから、彼女たちの影響力が必要になってきたわけで。アスレジャーと聞いているけど実際どう?

レイチェル:パーカとかスエットとかが中心だけど、安めの価格設定もいいし、実際かわいい、欲しいと思うものもちらほら。

メイ:SNSからだけでなく映画やテレビへの役者としての活動も含めると、チャーリーだけの2021年の収入は1750万ドル(約23億円)あったとか。ちなみに姉のディキシーもインフルエンサー第2位の収入で、1000万ドル(約13億円)らしい。人気が出てくると、スポンサーが付いたり、メイクアップブランドの立ち上げ資金を出したい人たちが出てきたり、それとYouTubeからの収入。そうなってくると人生変わるよね。

スティービー:チャーリーとディキシーは、TikTokしていない大人たちもなぜか知っているくらい有名。昔はテレビに出ている人が有名人だったけれど、最近はTikTokに出ている人がそれに代わって、しかも何千倍も視聴者がいて影響力もその分大きくなっている。

レイチェル:1999年生まれのアマンダ・スティール(Amanda Steele)は、2010年からYouTubeでファッションとビューティに特化した自身のチャンネルを開設し、今では256万人のチャンネル登録者がいて、自身のファションブランド「スティール(STEELE)」も19年に立ち上げている。 ユーチューバー、モデル、俳優、ブランドオーナーの何足ものわらじを履きこなし、22年の推定資産は200万ドル(約2億6000万円)だとか。

スティービー:モデル芸能事務所大手のIMGにいる子だよね?最初は誰だか分からなかったんだけど、すごい人気者だったんだね。

メイ:実際、モデルを雑誌のカバーにブッキングする際に、その子のフォロワー数をチェックしたり、インフルエンス度をリサーチするというのは、ここ数年当たり前のことになってきている。

SNS時代のシンデレラストーリー

メイ:今どきのインフルエンサーって、TikTokしていることが条件なのかな?そうなると求められるのはダンス力と編集力?

レイチェル:いつからかインスタグラムもTikTokと同等の機能“リール”ができて、TikTokで作ったコンテンツをインスタグラムのリールとして同時に投稿するのが一般的。

スティービー:確かに、いつの頃からかTikTokをフォローしていない自分にも、TikTokのコンテンツが見られるようになった。インスタグラムでも、動画の数が圧倒的に多いからね。

レイチェル:2020年に“TikTok上で最高視聴率を獲得したベラ・ポーチ(Bella Poarch)も歌に合わせて踊るというか、顔を動かしただけだったのに一夜でスターに。

メイ:顔を動かしただけなんだけど、何回も見てしまうくらい上手だし、顔立ちがかわいかったのも大きい。彼女はフィリピン出身らしい。英語はネイティブだけど。

スティービー:彼女はのその後ワーナーレコードと契約して本物のアーティストになってしまったからね。「プラダ」や「ミュウミュウ(MIU MIU)」のショーに呼ばれたり、ファッション界の貴公子で、仲良しセレブがたくさんいるデレク・ブラスバーグ(Derek Blasberg)にインタビューされたり。

メイ:あのビデオ見たけど、ベラから見たら、このおじさん誰?みたいな感じだったよね。笑えた。

レイチェル:ベラはフィリピンで生まれだけど、3歳のときにアメリカ人カップルの養子にもらわれて、農園で小さいときから仕事をさせられていたとか。4年間は海軍に従事したりと実は苦労人。一つのポストで人生180度変わってしまうっていう、すごい例かも?

スティービー:まさにシンデレラストーリーとはこのこと。

国境と人種を飛び越えて

レイチェル:一夜でスターと言えば、ファッションとは無関係のカテゴリーだけど、カベンネ・ラメ(Khabyane Lame)がいる。2000年生まれの22歳のセネガル人の彼は、イタリアを拠点としたコメディー系のTikToker。コロナ禍で工場でのマシーンオペレーターの仕事を解雇された後、最初にTikTokへの投稿を開始。過度に複雑なライフハックやDIYビデオを無言でコミカルなジェスチャーとともに嘲笑する動画で人気者に。

スティービー:SNSのすごいのは、国境とか人種とか、これまであると思っていた境界を一気に越えられること。

メイ:コロナがきっかけで違う仕事を始めた人は多いと思うけど、そういう意味ではTikTokが一番手っ取り早かったのかもね。一人で始められるから。もちろんセンスとテクニックが必要だけど。インスタと違って、TikTokって動画だから、編集のテクニックとクリエイティビティーが求められるからね。私も何度か撮ろうと思ったことがあったけど、頭の中で考えるだけで諦めてしまった一人。

レイチェル:カペンネは、今では1億 3800万人以上のフォロワーをTikTokで持ち、ランボルギーニ、ポルシェ、ボルボ、BMWなどの高級車を何台も乗り回せるほどになったとか。さらには600万ドル(約7億8000万円)で自宅を購入。プール、ホームシアター、高度なセキュリティー、テニスコート、ワインセラーが完備されていて、もはやセレブリティーの仲間入り。今年の推定資産は500万ドル(約6億5000万円)らしい。

スティービー:こういうインフルエンサーにとっては、高級車を何台も所有していることさえネタになるわけだから、経費で落とせたりして?

メイ:22歳で500万ドル稼ぐ人がわかりやすく何人もいるから、アメリカ全土では大学に行くことに興味を失ってしまう人たちがいるのも分かる気がする。もちろんTikTokで長く食べていけるなんて、ほんの一部の人たちのはずだけれど。

ファッション業界のインフルエンサー

レイチェル:ファッション業界のインフルエンサーと聞いて、まず思いつくのはデザイナーのマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)かな。ちなみにインスタのフォロワー数は170万人。ベラやジジにはかなわないけど、十分にマクロインフルエンサーではあるよね。

メイ:ファッション界の人はほとんどフォローしているだろうし、あとはドラァグ系の人々も。

スティービー:4万人から100万人のフォロワーを持つ人たちのことを“マクロ”とカテゴライズするらしいから、そういう意味で100万人以上のマークは堂々と“メガ”インフルエンサーだよ。

レイチェル:マクロインフルエンサーのいい例が、私たちも何度も仕事をしたことがあるメイクアップアーティストのイサマヤ・フレンチ(Isamaya Ffrench)。インスタのフォロワー数が約32万人。30代前半の英国人である彼女は、もともとダンスをやっていたりしたこともあって、コンテンツが豊富。

メイ:一緒にソウルへ出張したときも、空き時間に一生懸命ワークアウトしていたし、時々投稿されているけどヨガのレベルも高いし、運動能力がとにかく高くて感動する。

スティービー:ダンスだかシアターからの経験で、普通のメイクではなく、映画などで使う特殊メイクも見せてくれるし。話していると礼儀正しくきれいな印象だけど、インスタの中では彼女の独特な世界観を垣間見ることができるというか。

メイ:インスタグラムのファッションディレクターを務めるエヴァ・チェン(Eva Chen)は200万人のフォロワーがいるから、“メガ”ってことね。

スティービー:昔は「ティーンヴォーグ(TEEN VOGUE)」や「ラッキー(LUCKY)」といったファッション誌のエディターでよくいろんなところで顔を合わせたんだけど。最近はショーで見かけても、いつもフォトグラファーたちに囲まれている。こっち側の人から、あっち側の人になったいい例。

レイチェル:メガ級になったらもちろん、マクロあたりからもフォトグラファーを付けている人たちはいるよね?自分ではどうにも撮れないショットが掲載されているから。

メイ:でもそれくらいする価値があるはず。インフルエンスはお金では買えないし、お金を生み出すから。

マルチタレントなドラァグクイーンたち

スティービー:世代だけではなく、ジェンダーの枠をも越えて人気なインフルエンサーといえば、ドラァグクイーンの活躍も目立っているよね?

レイチェル:この世界でのクイーンは、もしかしたらマーク・ジェイコブスかもだけど、ビジネスクイーンとして名をはせるのがトリクシー・マテル(Trixie Mattel)。彼女は、今では全世界で人気となったリアリティ番組「ル・ポールのドラァグ・レース」で優勝もして、カントリーシンガーとしても人気。2700万人のフォロワーを持つインスタグラムと、1500万人の登録者数を誇る彼女のYouTubeでは、ドラァグクイーンならではのメイクアップチュートリアルから、コメディアンとしてのさまざまなコンテンツもアップしている。

メイ:「トリクシー コスメティクス(TRIXIE COSMETICS)」のトリクシーね?

レイチェル:そうそう。「M・A・C」などのコスメブランドで働いた経験を生かして、自身のコスメブランドを立ち上げたし。自身の名前が入ったテレビの冠番組のホストから、本の出版、LGBTQコミュニティのためにコロナ禍で閉店寸前となったバーへの再建出資など、パフォーマーとしてだけでなく、プロデューサー業も行っていて、2022年の推定資産は1000万ドル(約13億400万円)。

スティービー:トランスジェンダーやノンバイナリーのモデルも、多くのショーや広告に出てくるようになったよね?特にこの2年で。

レイチェル:このカテゴリーの中での注目は、なんといってもデュポン・ツインズ(Dupont Twins)。ジェイクとジョージ―・デュポン(Jake & Josie Dupont)の一卵性の双子の兄弟は、数年前までは、ニューヨーク・ファッション・ウィーク期間中に、若手デザイナーのアフターパーティで、必ずと言っていいほど見かける、中性的な雰囲気をたっぷりと漂わせる美男子兄弟として認知されていた。フェミニンな美しさに最近では磨きがかかり、彼ら自身もランウェイを歩くようになり、レディー・ガガ(Lady Gaga)のビューティブランドのキャンぺーンに抜擢されるまでに!3500万人のインスタグラムのフォロワーも日々増加傾向だし、このままアイコン的なモデルになるのではないかと期待大。

メイ:最近「インタビュー マガジン(INTERVIEW MAGAZINE)」のファッションディレクターとしてスタイリング業もこなすダラ・アレン(Dara Allen)も、インフルエンサーと言えるかな?

レイチェル:マスというよりは、ややニッチな感じにはなってくるけど、ダラ・アレンは十分インフルエンサーとしての素質があるかと。もともとファションジャーナリストとして業界に入り、当時モデルとしては素人だった彼女を2017年にマーク・ジェイコブスがランウェイモデルに抜てきしたことからモデルとして「プラダ」「 ミュウミュウ」「ヘルムート ラング」「トム フォード」「M・A・C」などのブランドの広告に出演し、 IDマガジンなどのファッション誌の表紙にもなっているし。アクティビスト的な一面を持っているのも今っぽい。

スティービー:マーク・ジェイコブスは、そういう意味では元祖インフルエンサーと言えるからね。元祖LGBTQ、元祖パリブランドに行ったアメリカ人。いくらでも続けられそう。

メイ:ドラァグクイーンやトランスジェンダーだけではなく、インフルエンサー全体に言えることだけど、みんなすごくマルチタレントよね。スタイリストやってモデルもして、自分のブランドも手掛ける、みたいな。もちろん周りにいろいろ助けてくれている人たちがいるんだと思うけど。

スティービー:ある意味、一つ、いや複数の会社の運営者みたいなものだから。しかもその時々の時代性に合わせて、自分を変えていける、その中でも個性を保っていける人たちが、インフルエンサーとして長く君臨できる。言葉にするのは簡単だけど、非常に競争力の激しい世界だね。


 

メイ/クリエイティブディレクター:ファッションやビューティの広告キャンペーンやブランドコンサルティングを手掛ける。トップクリエイティブエージェンシーで経験を積んだ後、独立。自分のエージェンシーを経営する。

スティービー/ファッションエディター:アメリカを代表する某ファッション誌の有名編集長の下でキャリアをスタート。ファッションおよびビューティエディトリアルのディレクションを行うほか、広告キャンペーンにも積極的に参加。

レイチェル/プロデューサー:PR会社およびキャスティングエージェンシーでの経験が買われ、プロデューサーとしてメイの運営するクリエイティブ・エージェンシーで働く。最新のイベントに繰り出し、ファッション、ビューティ、モデル、セレブゴシップなどさまざまなトレンドを収集するのが日課

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