ビューティ

東京レインボープライドに初参加 LVMHジャパンが“自分らしく、美しく豊かに”生きる発信

認定NPO法人の東京レインボープライドは4月20、21日、「東京レインボープライド2024(TOKYO RAINBOW PRIDE 2024以下、TRP)」を代々木公園で開催した。LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン・ジャパン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON JAPAN以下、LVMHジャパン)は同イベントに企業として初めて協賛し、同社のカルチャーやブランドの歴史、ダイバーシティー&インクルージョン(以下、D&I)の取り組みを紹介するブースを出展。20日には、同社が手掛ける「パルファム ジバンシイ(PARFUMS GIVENCHY)」と連携し、写真家のレスリー・キー(Leslie Kee)による一般来場者の撮影会を開催。21日のプライドパレードには、LVMHジャパンとグループブランドの社員と家族が250人規模で参加した。

また、TRPと連動した写真展「スーパーLVMH 〜 アール・ド・ヴィーヴル(SUPER LVMH 〜 ART DE VIVRE)」を5月19日まで原宿・キャットストリートの「クリエイティブ スペース アカデミア 21」で開催している。賛同する世界各国のセレブリティー30組とLVMHエグゼクティブ30人を、レスリー・キーが撮り下ろした。

LVMHジャパンで人材の育成と、人材を通したLVMHらしいカルチャーの醸成に取り組み、TRPへの出展に尽力した山内彩LVMHジャパン ピープル&カルチャー シニア マネージャーに、参加への経緯やD&Iの取り組みについて聞いた。

PROFILE: 山内彩/LVMHジャパン ピープル&カルチャー シニア マネージャー

山内彩/LVMHジャパン ピープル&カルチャー シニア マネージャー
PROFILE: (やまのうち・あや)大学卒業後、婦人服製造販売ブランドでリテールを学んだ後に渡仏し、パリ第3大学を卒業。帰国し、ファッション企業向けのコーチングなどを手掛けた後、ケリングに入社。2018年LVMHに入社し、「ディオール」のリテール トレーニング マネージャーを経て、現職 PHOTO : YUKIE SUGANO

WWDJAPAN(以下、WWD):TRP参加に至った経緯は?

山内彩LVMHジャパン ピープル&カルチャー シニア マネージャー(以下、山内):2019年、LGBTQ+当事者の同僚が「いつかLVMHでTRPに参加したい」と声を上げた。その後に、有志で集まった少人数でパレードを歩くことから始め、活動を徐々に広げた。22年、先行して出展した「パルファム ジバンシイ」からは刺激を受けた。同ブランドを率いる金山桃LVMHフレグランスブランズ ジェネラル マネージャー兼社長と話し、より大きなインパクトを出せるように、グループでも参加するべきではないかと考えた。

WWD:グループとして参加する上での苦労は?

山内:全ブランドの賛同を得ることはもちろん、確固たる目的を持ち、強いメッセージを発信する必要がある。簡単な道のりではなかった。各ブランドには、TRPへの参加は、グループミッションの“アール・ド・ヴィーヴル(美しく豊かに生きる喜び)”につながると説明した。“自分らしく生きる”ことこそ、“美しく豊かに生きる”ことと拡大解釈した。

WWD:TRP参加の意義とは?

山内:これほど多様な人材が集まる会社で、上からの命令ではなく各人が声を上げ、合意に至り、大きなプロジェクトを動かしたという体験は、社員にとって意義があった。このような過程を経て得た知識や経験は、さまざまなビジネスでも役に立つだろう。パレードへの参加は社員のモチベーションや帰属意識を高めるほか、表参道のけやき坂にフラッグを掲出することで社外にもメッセージを発信した。

最初は正直、グループでの参加は難しいと思っていた。しかし、そのような思い込みを覆すことに挑戦し、異なる意見を持った仲間と交流しながら共に未来を築いていく風土づくりにもつながる取り組みになった。

WWD:ブースを訪れた来場者へのメッセージは?

山内:ブースでは、LVMHジャパンのD&Iの取り組みを紹介するほか、レスリー・キーによる一般来場者の撮影会も開催。メイクアップは「パルファム ジバンシイ」のブースで行った。来場者には、アーティスティックな感覚を味わいながら、“新しい自分”や“本来の自分”を発見するきっかけにしてほしい。LVMHらしい“美しく豊かな”体験を通して、自己表現を広げられるような時間を提供したかった。

女性のセカンドキャリアを支援

WWD:TRP以外のD&Iに関する取り組みは?

山内:「メティエ・デクセロンス(METIERS D’EXCELLENCE以下、ME)」というプログラムを世界7カ国(フランス、スイス、イタリア、アメリカ、スペイン、日本、ドイツ)で実施しており、これまでに1400人以上が参加した。日本では21年にローンチし、販売員を育成するプログラムを通して女性のセカンドキャリアを支援している。

WWD:女性のセカンドキャリアに着目した経緯は?

山内:日本には、経験があるにも関わらず、出産やパートナーの転勤などでキャリアを離れ、10年やそれ以上のブランクを抱える女性が多くいる。正社員としての再就職も難しい状況だ。女性の活躍を促進したいという思いから、何らかの理由でキャリアを諦めざるを得なかった人や、転職を望む女性たちを対象にした。ファッションスクールでの学習や店頭での実技、マスタークラスでの研修という8カ月間のコースを無償で提供している。

WWD:プログラム参加者の反応は?

山内:日本では参加者の約8割が卒業し、約6割がLVMHジャパンに就職している。参加者からは、「このような機会がなければ、自分の可能性を広げることができなかった」「自分が本当に何をしたいのかに気づけた」などの声が届いている。

販売員は対人関係能力が必要で、継承が難しい職種だ。商品一つをとっても、多くの人が関わり、奥深い背景がある。顧客を理解し、ブランドや商品が持つ思いを届け、顧客の人生を豊かにできる販売員の育成に挑戦している。

WWD:日本におけるD&Iの課題は?

山内:D&Iに関しては人種や言語、宗教などさまざまな問題があり、それらは世界中どこにでも共通して存在すると思う。日本における課題は、多様性の見えづらさだ。日本は単一民族の国家なので、どうしても本来その人が持っているバックグラウンドや価値観、理念などが見えづらく、意識が向きにくい。日本でも、人間としてのより普遍的な多様性にもっと注目できるように取り組んでいきたい。

WWD:今後のビジョンは?

山内:グループミッションである“アール・ド・ヴィーヴル(自分らしく、美しく豊かに生きる)”を、社員が本当の意味で実感できる環境づくりを進めたい。学べる環境や、成長できるキャリアの機会を用意し、各人が自分らしさを持って活躍できる会社を目指している。さらに、それを世界にも発信しているという誇りを持てるように取り組みたい。1人1人が自分を大切にできるような環境をつくることで、他者への優しさが広がり、仕事においても全力を注げるようになると考えている。

■写真展「SUPER LVMH ~ ART DE VIVRE」Photographed by Leslie Kee
日程:4月19日〜5月19日
時間:11:00~19:00
会場:クリエイティブ スペース アカデミア 21
住所:東京都渋谷区神宮前5丁目27番7号 アルボーレ神宮前 1F/2F

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