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「ジバンシイ」が能登半島地震の復興へ向けて、石川県発の陶磁器片ブランドと協業 フレグランストレーを発売

パルファム ジバンシイ(PARFUMS GIVENCHY)」は10月、プレミアムフレグランス“「ラ コレクション パルティキュリエ」ド ジバンシイ”と、2024年能登半島地震後に残された陶片を使用したプレートのセット(7万8760円)を限定発売する。復興への思いを込めて、九谷焼が盛んな石川県能美市に拠点を置くカクル(CACL)が運営する陶磁器片ブランド「カケラ(KAKERA)」と協業。異なる伝統技術を掛け合わせ、さらにフランスと日本のクラフツマンシップの精神を融合させた。一部百貨店との限られたイベントで取り扱う。

セット内容は、オードパルファム“「ラ コレクション パルティキュリエ」ド ジバンシイ”の100mLサイズ2本と、プレート1枚。「カケラ」によるプレートは、24年元日に発生した能登半島地震で破損した陶磁器のかけらを使って製作した。九谷焼や珠洲焼(すずやき)のかけらを、輪島塗の漆で金継ぎのようにつないだ。「欠け」や「傷」を単なる不完全さではなくデザインとして反映させ、個体ごとの個性と美を表現。フレグランスのトレーとして使用でき、全て一点物だ。

「パルファム ジバンシイ」は1952年の創業以来、ユベール・ド・ジバンシィ(Hubert De Givenchy)の「エレガンスの秘訣は、あなたがあなた自身であること」という信念とクチュールの精神の下で、コスメやフレグランスを通して一人一人の個性を輝かせることを使命に掲げる。そして、その礎となっている伝統と革新、クラフツマンシップを重視。今回、震災被害によって破損した陶磁器片をアップサイクルする取り組みや、被災した職人の雇用創出を目的としているカクルの事業に共鳴し、協業に至った。

金山桃LVMHフレグランスブランズ社長は、「24年夏に『パルファム ジバンシイ』の有志が石川県へボランティアに訪れた際、職人の手によって一つ一つ丹念に作られた作品の数々が粉々に砕けている様を見て胸が痛んだ。クチュールの精神を継承してきた『ジバンシィ(GIVENCHY)』にとって、日本の素晴らしい職人技が震災という打撃によって途絶えることがあってはならない、という思いでカクルとの取り組みに至った。多くの人に石川県の伝統と職人たちの現状を知ってもらい、支援につなげたい」とコメントした。

カクルについて

カクルは、九谷焼が盛んな石川県能美市に拠点を置く会社。伝統工芸を継承する人手の不足と、障害のある人の働く選択肢の狭さや低賃金という課題を掛け合わせ、解決するための事業を展開する。24年の能登半島地震をきっかけに「Stand with NOTO」プロジェクトを立ち上げ、復興支援の一環として、輪島塗職人の仮設工房の設置と雇用創出に着手。九谷焼や珠洲焼のかけらに輪島塗の技術を加え、より進化したアートプロジェクト「Rediscover project」も始動した。今回、廃棄される可能性のある伝統工芸品や規格外のものの新しい価値を再定義すべく、陶磁器片などを用いたプロダクトやマテリアルの探求・制作をする実験的なブランド「カケラ」を設立した。

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