服地大手のスタイレム瀧定大阪はこのほど、撚糸メーカーのシモムラ(石川県小松市、西山成幸社長)と合同で糸加工のWS(ダブリューエス)を設立した。新会社WSの資本金は1000万円で、社長にはスタイレムのテキスタイル1部SCM推進室の大澤俊彦氏が就任する。
シモムラは2002年設立の撚糸メーカー。撚糸は設備が高い一方で小規模事業者も多く、後継者難などから廃業などが相次いでいる。シモムラはそうした中で積極的に業容を拡大しており、14年には鈴倉インダストリーの原工場(新潟県・栃尾)、17年には「ピン仮」と呼ばれる旧式の撚糸を展開するフクイセイシを取得。22年にはアツギのむつ事業所の一部を利用した「むつ工場」も新設している。
シモムラが拠点を置く北陸は、世界的にも高い競争力を誇る合繊織物とニットの産地になる。スタイレムは、WSの新設でボトルネックになっている撚糸工程の解消と、リードタイムの短縮に加え、合繊素材の開発力の強化にもつなげる。