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2022年春夏ミラノコレ現地リポート Vol.3 バッグ&シューズの新作満載の3日目。今季は鮮やかな色が目白押し

 こんにちは!ヨーロッパ通信員の藪野です。早くもミラノコレは折り返し地点。3日目はバッグ&シューズのプレゼンテーションが盛りだくさんなので、新作の写真たっぷりでお届けします!

9:30 SANTONI

 朝イチは「サントーニ(SANTONI)」。ダブルモンクストラップやペニーローファーといったクラシックなメンズシューズのデザインを、サンダルやパンプスからスリッパ、クロッグにまで落とし込みました。緑、オレンジ、ブルー、ベビーピンクなど、美しいパティーヌの色合いに惹かれます。

10:00 TOD’S

 ヴァルター・キアッポーニ(Walter Chiapponi)=クリエイティブ・ディレクターが手掛けるコレクションを初めて生で拝見しました。デジタルで見た時から気になっていたのは、いい感じに肩の力が抜けた上品でモダンなスタイルと綺麗な色使い。今季は、スポーツやアウトドアウエアの要素が強めです。ドレスやスカートは、1960年代から着想を得たトラペーズシルエットのミニ丈で快活なイメージ。カラフルな抽象柄を取り入れたジャカードニットのドレスやレギンス、ボクシングシューズ、ボーリングバッグからヒントを得たようなミニバッグもスポーティーな印象につながります。テーラードジャケットやショート丈のトレンチは直線的なラインでシャープに仕上げた一方で、薄いナイロンを使ったウインドブレーカーは丸みのあるシルエットに。素材使いではレザーとリネンの組み合わせが新鮮で、今季もナチュラルカラーとビビッドカラーのコンビネーションが好印象でした。

11:00 MISSONI

 まだお昼前なのに、まさかの1時間遅れで始まったミッソーニ(MISSONI)」は、5月に退任したアンジェラ・ミッソーニ(Angela Missoni)の後任として、暫定的にクリエイティブ・ディレクターに就任したアルベルト・カリーリ(Arberto Caliri)のデビューショー。コレクションは、かなりセクシー路線にシフトしました。シグネチャーのジグザグニットは、ラメ糸を取り入れたり、異なる柄をパッチワークのように組み合わせたり。タイトなロングドレスからクロップドセーター、ブラトップまでに落とし込んでいます。他にも、キワどいビキニや超ミニのニットドレス、一部をくり抜いたようなドレスなどが登場。大胆な肌見せスタイルが軸になっています。

 顧客の若返りを図る「ミッソーニ」にとっては変わることも必要ですし、今季のミラノにはセクシーやセンシュアルに着目するブランドも多いですが、こういう方向への変化でいいのか?新たな若い顧客からの支持を得ることはできるのか?好き/嫌いが分かれるところだとは思いますが、ちょっと振り切りすぎたかな〜と感じ、戸惑いを隠せませんでした。

12:00 SPORTMAX

 ミラノを横断して、スポーツマックス(SPORTMAX)」の会場へ。もう間に合わないかと思いましたが、多くのエディターやジャーナリストが「ミッソーニ」から移動してくるので、こちらも1時間待っててくれました。エッジの効いたトレンドスタイルが得意なブランドという印象ですが、今季は「秩序と混沌」や「光と闇」といった対比から着想。コルセットやランジェリーを想起させるディテールと、アウトドアウエアのようなユーティリティーの要素をミックスしました。キーアイテムは異なる2着のウエストを重ねたようなデザインのバギーパンツや、ロープなどで作るギャザーをたっぷり入れたアシンメトリードレス、胸元や背中のグログランリボンをぎゅっと結んでシルエットにメリハリをつけた構築的なテーラリング。色もエクリュやオフホワイト、パステルに、インナーやディテールでネオンカラーを加えるなど、いろんなコントラストがポイントになっています。

14:00 BVLGARI

 「ブルガリ(BVLGARI)」のテーマは、ブランドの創業地であるローマへの愛。そんな街の永遠の輝きを表現した、放射線状のステッチやパーフォレーションが目を引きました。今季もアイコニックな蛇モチーフのカボションをあしらった”セルペンティ”シリーズが中心ですが、ブランドネームを型押しで並べたトートやバニティケース風のミニバッグも。

14:30 SERGIO ROSSI

 「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)」が今季プッシュするのは、彫刻的なプラットフォームヒールが特徴の”シー ロッシ(SI ROSSI)”シリーズ。シアン、イエロー、マゼンタといった、まるでプリンターのインクのようなカラーパレットで提案。今季のアクセサリーは、どこのブランドもポジティブマインドなビビッドカラーが目白押しです。

15:00 VALEXTRA

 「WWDJAPAN」の社員時代にレザーグッズを担当していたこともあり、これまで数え切れないほどのバッグを見てきました。見たことのないようなユニークな形状にときめくのですが、“トリックトラック”はそういう意味で◎。手持ちのハンドルを延長したり、ショルダーストラップをつけたりできるようになり、さらに魅力を増しました。新たに登場した小ぶりなトートは、ぴったりサイズのインナーポーチ付きで、ポイント高し。また、アイコンバッグの“イジィデ”のマイクロサイズは、iPhone Pro Maxなど大きめのスマホが入るようにリサイズ。現代のニーズに柔軟に対応する姿勢が良いですね。

16:00 ACT N.1

 ミラノの若手アクト N.1(ACT N.1)」と言えば、部分的なチュール使いでドラマチックに仕上げたアイテムですが魅力です。会場前では、ジャーナリストのマスイユウさんをはじめ、そんな”映え”アイテムを着た来場者をパシャリ。今回のショーにも、チュールをあしらったテーラードジャケットやデニムなどが登場しました。驚いたのは、最後に登場した3体の巨大なドレスです。モデルが登場したと思ったら、ドレスが縦に真っ二つに割れて、途中からは中に着ていたずっとリアルなドレスでウォーキング。アイデアとしては面白いですが、完全に舞台衣装ですね。もしくは来年のメットガラ用でしょうか?ちなみに巨大なドレスは、車輪付きで移動も楽々。是非映像でご覧ください。

17:00 SUNNEI

 アジアで人気の若手イタリアブランドスンネイ(SUNNEI)」では、入場するとまず何かが入った小さな袋が配られました。そして、ショー開始まで開けないようにと言われ、会場の中へ。そこに座席はなく、指定されたスポットでショー開始を待ちます。

 「開けないで!」や「そこのあなた!開けようとしているのが見えてるわよ」といった天からの怒鳴り声が何度も繰り返された後、ようやく袋を開けていいというアナウンスがありました。その中には、スキーゴーグルのようにバンドがついたサングラスが入っていて、とてつもなく強い光のフラッシュと共にショーがスタート。眩しい演出から目を守るためだったのかもしれませんが、つけていても若干気分が悪くなりました(笑)。真っ白なランウエイを歩くモデルも皆、このデザインのサングラスを装着。その「マトリックス」的な近未来感は、アバターを使ったコレクション発表などバーチャルとの親和性の高いブランドらしいと感じました。コレクションは、ハリのある素材やクリーンな細長いシルエット、軽やかな色使いを生かした「スンネイ」らしいスタイルをべースにしつつ、大胆なビーズフリンジ使いでドラマチックです。

18:00 GIANVITO ROSSI

 「ジャンヴィト ロッシ(GIANVITO ROSSI)」は、ミラノのシンボルであるドゥオモ(Duomo)のすぐ横にあるショッピングアーケード、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガレリア(Galleria Vittorio Emanuele II)の中のレストラン、クラッコスで新作のプレゼンテーション&パーティーを開催。テーブルや棚、バーカウンターの上からショーケースの中、ウェイターのお盆の上まで、店内の至るところに鮮やかな色が弾ける新作が飾られています。メタリックカラーのサンダルやパンプスは、ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)の代表作”バルーンドッグ(Balloon Dog)”のような色合いが印象的です。

おまけ:今日のワンコ

 本日は、「サントーニ」の会場で2匹発見!そして、ラストの「ジャンヴィト ロッシ」でも、モフモフの超絶キュートなワンちゃんを激写しました〜。

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3月25日発売号の「WWDJAPAN」は、2024-25年秋冬シーズンの「楽天ファッション・ウィーク東京(RAKUTEN FASHION WEEK TOKYO以下、東コレ)」特集です。3月11日〜16日の6日間で、全43ブランドが参加しました。今季のハイライトの1つは、今まで以上にウィメンズブランドが、ジェンダーの固定観念を吹っ切ったことでした。

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