ファッション

「グッチ」がオンラインコンセプトストア「ヴォールト」を開設 ビンテージと若手デザイナーのアイテムを販売

 「グッチ(GUCCI)」はミラノ・ファッション・ウイーク期間中の9月25日、現地で記者会見とイベントを開き、オンラインコンセプトストア「ヴォールト(VAULT)」のオープンを発表した。アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターが「生涯にわたる自分のビンテージへの愛や、人とモノをつなぐことへの情熱を形にしたもの」と語る同ストアでは、修復やカスタマイズが施された「グッチ」のビンテージアイテムに加え、彼自身が招へいした若手デザイナーズブランドの商品を取り扱う。

 「ヴォールト」は、貴重品が保管されている場所を指す。アレッサンドロは、その立ち上げについて、「私の頭の中には、常に進化し続ける場所を作りたいというアイデアがあった。そこでは、異なるルーツやクリエーター、時代のモノたちが“ありえない”会話を交わし、過去と現在の対話の中心人物となり、未来のインスピレーションを呼び起こすことができる」とコメント。そして、あえて実店舗ではなくオンラインを選んだ理由を「この1年半活用して身近なものとなったオンラインは、(この時代における)リアリティー。誰でもアクセスできる、今に最もふさわしい場所だから」と説明する。

 ビンテージ品はバッグやウエアをはじめ、スカーフやネクタイなどの小物、スーツケース、グラスや陶器、オブジェなどをラインアップ。1960〜80年代を中心に、トム・フォード(Tom Ford)が手掛けていた時代のアイテムまでが含まれ、中には新たにハンドペイントを加えたアイテムやアレッサンドロ自身が所有していた70年代のバッグもある。ただし、すべて一点モノのため、現在は多くのアイテムがすでに売り切れた状態だ。「『グッチ』はこの20年間、アーカイブの収集に取り組んでいるので、オークションハウスや個人の販売者など幅広い調達ルートが確立されている」とし、継続的にビンテージ品を収集し、定期的に追加していくという。

 ストアのローンチに際して選ばれた若手デザイナーズブランドは、昨年11月の「グッチフェス(GUCCIFEST)」でショートフィルムを制作した15組のうちの13組。ロンドンの「アルワリア(AHLUWALIA)」や「ステファン クック(STEFAN COOKE)」、ミラノの「コルミオ(CORMIO)」、パリの「シャルル ドゥ ヴィルモラン(CHARLES DE VILMORIN)」「ボラミー ビジュアー(BORAMY VIGUIER)」、ストックホルムの「レイヴ・レビュー(RAVE REVIEW)」、ニューヨークの「コリーナ ストラーダ(COLLINA STRADA)」、2021年版「LVMHプライズ(LVMH PRIZE)」で“カール・ラガーフェルド賞(審査員特別賞)”に選ばれたルイ・チョウ(Rui Zhou)による「ルイ(RUI)」などが名を連ねる。

 イベント会場にいたボラミーは、「僕たちに自由を与えてくれることがとてもうれしかったし、感謝している」とコメント。一方、「アルワリア」と手掛けるプリヤ・アルワリア(Priya Ahluwalia)は、「『グッチ』から突然メールが届いたとき、最初はスパムかフレグランスの広告かと思った。こんなことが起こるなんて想像もしていなかったから」と笑う。

 今後は、ブランドのラインアップがさらに増えたり、さまざまな形の協業が生まれたりと、従来の枠にとらわれない提案が広がるという。「ファッションは、生活に直接的に関わっているもので、偉大な力を持っている」とアレッサンドロ。実験的な取り組みを通して、その力を表現する「ヴォールト」を、予想外のことが起こり、多様な物語が生まれる場所へと進化させていく。

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