ファッション

「ビンテージ」は“ただの古着”じゃない? “めんどくさい”新米2人によるポッドキャスト連載:考えたい言葉 vol.5

 「WWDJAPAN」ポッドキャストシリーズの新連載「考えたい言葉」は、2週間に1回、同期の若手2人がファッション&ビューティ業界で当たり前に使われている言葉について対話します。担当する2人は普段から“当たり前”について疑問を持ち、深く考え、先輩たちからはきっと「めんどうくさい」と思われているだろうな……とビビりつつも、それでも「メディアでは、より良い社会のための言葉を使っていきたい」と思考を続けます。第5弾は、【ビンテージ】をテーマに語り合いました。「WWDJAPAN.com」では、2人が対話して見出した言葉の意味を、あくまで1つの考えとして紹介します。

ポッドキャスト配信者

ソーンマヤ:She/Her。入社2年目の翻訳担当。日本の高校を卒業後、オランダのライデン大学に進学して考古学を主専攻に、アムステルダム大学でジェンダー学を副専攻する。今ある社会のあり方を探求すべく勉強を開始したものの、「そもそもこれまで習ってきた歴史観は、どの視点から語られているものなのだろう?」と疑問を持ち、ジェンダー考古学をテーマに研究を進めた。「WWDJAPAN」では翻訳をメインに、メディアの力を通して物事を見る視点を増やせるような記事づくりに励む

佐立武士(さだち・たけし):He/Him。入社2年目、ソーシャルエディター。幼少期をアメリカ・コネチカット州で過ごし、その後は日本とアメリカの高校に通う。早稲田大学国際教養学部を卒業し、新卒でINFASパブリケーションズに入社。在学中はジェンダーとポストコロニアリズムに焦点を置き、ロンドン大学・東洋アフリカ研究学院に留学。学業の傍ら、当事者としてLGBTQ+ウエブメディアでライターをしていた。現在は「WWDJAPAN」のソーシャルメディアとユース向けのコンテンツに注力する。ニックネームはディラン

若手2人が考える【ビンテージ】

 ファッション業界で「ビンテージ(vintage)」は、時間が経っても需要が増えたり保持されたりし、「今の時代でも通用する年代物」を表す。“誰かが一度着た服”やシーズンを過ぎた洋服の価値は下がるのが一般的だが、さまざまな要因によって需要を落としていないもの。ブランドものの希少価値の高い古着や、レザーやジーンズなど履きこなされるほど趣が出るとされているものが該当する。

 ワインのための「ぶどうの収穫」を意味するラテン語が派生し、「出来の良い年のワイン」を意味する言葉に。毎年の出来が良いわけではないことから、その年の新鮮なものより過去の樽の方が高値がつくヨーロッパの文化的背景から生まれた言葉がワイン以外の服などに使われるようになった。

 英語圏では単に“古いもの”に対して使うことも多く、値段やブランドを問わず古着を「ビンテージ」と呼ぶが、日本では誰かが袖を通しただけの“ただの古着”と区別され、よりプレミアムな印象を与える傾向がある。しかし、下北沢などで売られるビンテージから切り離される“ただの古着“の多くも、リサイクルショップなどで元値より大幅に安くなった価格で販売される中古品に比べると、高級である。これには日本で流通する古着は“お洒落”なイメージのあるアメリカやヨーロッパから買い付けたものが多いため、付加価値などが加わり国内の二次流通より高くなるという背景がある。日本オリジナルのビンテージの1つには、大正〜昭和初期の国内のファッションアイテムなどを扱う、現代の“モダンガール・モダンボーイ御用達”の「東京蛍堂」などがある。

WWDJAPAN PODCAST
「ビンテージ」は“ただの古着”じゃない? “めんどくさい”新米2人によるポッドキャスト連載:考えたい言葉 vol.5
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