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アディダスが「リーボック」を「バーニーズ」や「フォーエバー21」の親会社に売却 最大21億ユーロで

 アディダス(ADIDAS)は、傘下の「リーボック(REEBOK)」をブランドマネジメント企業のオーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)に最大21億ユーロ(約2719億8549万円)で売却する。取引は、2022年第1四半期に完了する予定。完了時に総額の大部分が現金で支払われるが、そのほとんどを株主に分配する計画だという。

 同社は21年2月にすでに「リーボック」の売却計画を発表しており、基幹ビジネスに集中する。カスパー・ローステッド(Kasper Rorsted)最高経営責任者(CEO)は、「『リーボック』はアディダスにとって大切な存在であり、ブランドとそれを支えるチームが当社にもたらしてくれた貢献に感謝している。今回のオーナーの入れ替わりにより、『リーボック』ブランドは長期的な成功を収めることができると確信している」と述べる。アディダスについては、引き続き25年までの事業戦略「オウン・ザ・ゲーム(Own the Game)」の遂行に力を注ぐ。

 一方、新規株式公開(IPO)を直前に控えるABGのジェイミー・ソルター(Jamie Salter)創業者兼会長兼CEOは、「私たちは何年も前から『リーボック』に注目しており、この象徴的なブランドをついに傘下に収められたことを嬉しく思う」とコメント。「『リーボック』は、世界中の消費者にとって特別な存在であるだけでなく、グローバルな幅広い販売網を持っている。『リーボック』チームの素晴らしい仕事を継続するために協力し、世界有数のコンシューマーブランドとしての地位をさらに高めていくことを楽しみにしている」と続ける。

 ABGは現在、「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEWYORK)」や「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」「フォーエバー21(FOREVER 21)」などを擁し、アクティブウエア分野では「スパイダー(SPYDER)」「グレッグ ノーマン(GREG NORMAN)」「ボルコム(VOLCOM)」などを保有。そのほか、以前から「リーボック」の獲得に興味を示し、90年代には同ブランドのアンバサダーも務めていた元NBA選手のシャキール・オニール(Shaquille O’Neal)をはじめ、モハメド・アリ(Muhammad Ali)、マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)といった著名人の知的財産権も所有・管理している。

 アディダスは06年に「リーボック」を38億ドル(約4195億円)で買収したが、当時は「ロックポート(ROCKPORT)」や「CCM ホッケー(CCM HOCKEY)」「グレッグ ノーマン」などのブランドも含まれていた。すでに、これらのブランドを売却済みだ。世界80カ国で展開されている「リーボック」は長年、業績が低迷。ここ2、3年は改善していたものの、コロナ禍では親会社のアディダス以上に苦戦していた。「リーボック」の21年第2四半期の売上高は前年同期比94%増で、19年の水準を13%上回っている。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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