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アディダス、20年は77%減益 ウィメンズとサステナビリティを強化

 アディダス(ADIDAS)の2020年12月通期決算は、売上高が前期比16.0%減の198億4400万ユーロ(約2兆5598億円)、営業利益が同71.7%減の7億5100万ユーロ(約968億円)、純利益が同77.5%減の4億4300万ユーロ(約571億円)だった。

 地域別の売上高では、ヨーロッパが同12.3%減の53億2000万ユーロ(約6862億円)、北米が同10.3%減の47億6200万ユーロ(約6142億円)、アジア太平洋地域が同18.5%減の65億4600万ユーロ(約8444億円)だった。南米やロシアなども含め、全ての地域で減収となった。

 ブランド別の売上高では、「アディダス」が同15.8%減の180億9500万ユーロ(約2兆3342億円)、「リーボック(REEBOK)」は同19.3%減の14億900万ユーロ(約1817億円)だった。アディダスは「リーボック」の売却を21年2月に発表しているが、買い手候補などはまだ明らかになっていない。

 四半期ベースで見ると、20年10~12月期(第4四半期)の売上高は前年同期比4.9%減の55億4800万ユーロ(約7156億円)だった。7~9月期(第3四半期)が同6.9%減、4~6月期(第2四半期)が同35.0%減だったことを踏まえると、業績は順調に回復しているといえるだろう。現地通貨ベースでは、第4四半期は同1.0%増だった。

 第4四半期における地域別の売り上げは、現地通貨ベースでヨーロッパが同6.2%減だったが、北米は同2.2%増、アジア太平洋地域は同1.4%増となっている。なお中国本土は同7.0%増となっており、ほかのアジア太平洋地域との差異が大きいことから、今後の決算報告書では別個に扱うという。

 カスパー・ローステッド(Kasper Rorsted)最高経営責任者は、「20年はこれまで経験したことのないような年だった。さまざまな苦難に直面したものの、アディダスをよりよい会社にするための努力を続けることができ、尽力してくれた全ての従業員に感謝している。第4四半期には成長軌道に戻っており、21年の業績は15~19%の成長率になると予想している」と語った。

 販売チャネル別ではECが前期比53%増と非常に好調で、40億ユーロ(約5160億円)超の売り上げだった。同社ではこうした傾向が続くと見ており、オンラインでの売り上げは実店舗の3倍の速さで成長すると予想。25年にはECとD2Cが売り上げ全体の半分程度、つまり80億~90億ユーロ(約1兆320億~1兆1610億円)に達すると見込んでいる。

 ハーム・オルマイヤー(Harm Ohlmeyer)最高財務責任者は、「本当に劇的な変化だ。卸からD2Cに比重を移したことで中間業者が減り、結果的に売り上げに対する利益率が上昇した。D2Cを強化するには物流やマーケティングにより多く投資する必要はあるが、売上高の増加が見込める上に、純利益が速いスピードで成長するという利点がある」と述べた。同氏はまた、ECを展開している小売店とは提携を継続する予定だとしながらも、より小規模な小売店とは提携を解消する可能性があることを示唆した。

 アディダスは今回の決算とともに、21~25年の事業戦略「オウン・ザ・ゲーム(Own the Game)」の詳細を投資家やメディア向けの説明会で発表した。同戦略は2つに分かれており、前半はコロナ禍からの回復および21年について、後半は22~25年の成長戦略にフォーカスしている。

 同社はこの事業戦略の一環として、スポーツ(サッカー、ランニング、トレーニング、アウトドア)とライフスタイルに注力することを策定。これに伴い、アスレジャーなどのライフスタイル用品と、アスリート向けの機能性用品を分けるため、新たなブランドポジショニングを設定した。「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」は高価格帯のプレミアム商品やセレブリティーとのコラボアイテムを、「アディダス スポーツウエア(ADIDAS SPORTSWEAR)」は主にアスレジャー用品を、「アディダス パフォーマンス(ADIDAS PERFORMANCE)」は機能性アイテムを取り扱う。

 また今後の成長分野として、同社はウィメンズとサステナビリティを挙げている。21年3月には、世界の女性アスリートの声を反映したアクティブウエアのコレクションを発売した。サステナビリティに関しては、25年までに10のアイテムのうち9つがサステナブルであることを目指している。

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