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「内から外」「下から上」の時代到来 エディターズレター(2021年6月30日配信分)

※この記事は2021年06月30日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

「内から外」「下から上」の時代到来

 その傾向はウィメンズにおいても顕著ですが、ことメンズ界は完全に「どんなアウターを提案したら良いのか、わかんない」状態にあると思っています。

 この病に苦しんでいる期間は既に長く、そろそろ10年くらいになるでしょうか?だんだんコートが売れなくなって、「モンクレール」や「タトラス」が売れるからダウンに手を出したけれど専業にはかなわず、レザーブルゾンはまだまだニッチ。スイングトップ?ガウンコート?はどれも爆発的ヒットを期待するには小粒すぎて、結局MA-1に落ち着いて何年でしょう?地球は暖かくなる一方なので、地厚なニットやフーディにウィンドブレーカー的な重ね着で十分だったりもするので、消費者はますますコートから縁遠くなっているのだと思います。

 なぜ「コレだ!」というアウターが、こんなにも見つからないのでしょうか?イロイロ考えましたが結局、「インナーがデカいから」という結論に達しました。みなさん、ご自身にもこんな記憶ありませんか?「フーディがデカいから、コートに腕が通せない」とか「肩口から肘にかけて、なんか生地がモタつく」とか。無論、アウターも大きくなっていますが、インナーのソレには追いついていません。結果、アウターを羽織るくらいなら、インナーを重ねる方が快適なのでは?なんて思うのです。事実、メンズではハイゲージのニット、調子いいですからね。

 そんなコトに気づいたのは、「麻布テーラー」を手掛けるメルボグループの「テーラーフィールズ」からお話を聞いた時でした。「テーラーフィールズ」は、ストレッチや形態安定に優れた機能的スーツのパターンオーダーブランド。既に巷には機能的スーツも、パターンオーダーも溢れていますが、「防水やストレッチ性などの機能に甘んじ見過ごしていた、合わせる服の袖のモタつきなどの不便をパターンオーダーで解消する」という話を聞いた時、今さら改めて「そうだ、中に着る服の視点が欠落していた」と感じたのです。「内から外」に意識を向けると、この冬に提案すべきコートや接客が見えてきそうですね。

 一方ウィメンズの世界は、完全に「下から上」です。以前もこのお手紙でお話しましたが、長らくの苦境を脱したブーツによりボトムスが変わり、それがトップスにも影響してくる時代が到来しています。「内から外」「下から上」に対して、私たちの提案は今なお「外から中」「上から下」になってないか?そんな風に思うようになってきました。

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