ファッション

“エロ”を封印して上品に 今季のクロップドトップスの着こなし方

 夏の装いに軽やかさを添えるクロップド丈のトップスは、ヘルシーにお腹をチラ見せできる使いやすいアイテムとして、じわじわと浸透中です。トップスの裾周りがすっきりと映り、着やせ効果も引き出せます。ハイウエストのボトムスとも好相性。カジュアルな印象を持たれがちですが、この夏はセクシーさを遠ざけた“大人使い”が広がる気配です。

 「ミュウミュウ(MIU MIU)」は巻きスカートを合わせて、節度を保った装いに仕上げました。ハイネックのトップスの上からジャケットをカーディガン風に重ね、ウエスト周りの見え加減を調節。セットアップをイエロー系でまとめ、肌見せゾーンの印象を弱めています。今回は、クロップドトップスを大人っぽく上品に着こなす“技あり”コーディネートをランウエイルックから集めてみました。

ボリュームあるシルエットでめりはりを強調

 ウエスト周りの素肌がわずかにのぞく“チラ腹見せ”は、クロップドトップスで生かしたい演出。着こなしのポイントは控えめな露出。やりすぎは禁物です。ボリュームのあるシルエットはウエストの細さを際立たせてくれます。

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のクロップドトップスは、“袖コンシャス”なデザインが視線を引き寄せ、ウエストとのボリュームの落差を強調。鮮やかなマルチカラーがトップスの存在感を強めています。ワイドパンツと合わせることで、ウエストのくびれをさらに引き立てた、好バランスのめりはりスタイリングに仕上がりました。太ベルトが、素肌の露出をカムフラージュする小技も効いています。

甘いボリューム袖にきらめきパンツで視線を分散

 トップスにロマンチックなムードを宿らせるスタイリングも、腹見せの印象を弱める効果が期待できます。目を引く素材やインパクトのある色使いでボトムスを前面に押し出すのも、クロップドトップスと好相性のコーディネートです。

 「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」のクロップドトップスの裾の短さが目立たない理由は、袖にあり。肩口が盛り上がったパフスリーブと、細く絞った袖先の極端なボリュームの落差が、トップスの裾から視線をそらす効果を発揮しました。ボトムスに選んだのは、トレンドアイテムに浮上してきたハイウエストのサスペンダー付きパンツ。まばゆいメタリックが70年代ムードをまとい、チラ腹見せの印象をセーブしています。裾をロールアップするのも、ウエストから目をそらす効果を生む小技です。

ノーブルなスリーピースで品格あるチラ見せ

 全体をノーブルにまとめる装いは、多少のウエスト露出まで上品に見せてくれます。色を統一するワントーンのスタイリングなら、着用シーンも広がりそうです。

 真っ白なワントーンの装いに仕上げたのは「フェンディ(FENDI)」。Vネックのクロップドトップスは、凜々しくすがすがしい印象です。ジャケットとパンツで構成するホワイトルックに、大人仕様の適度な肌見せがフレッシュでスタイリッシュなイメージを添えました。Vネックの内側に沿うネックレスのアレンジも参考にしたいです。パンツのウエストを斜めに傾け、リラクシングな雰囲気も引き出しています。

ゆるシルエットで、健康的にチラ腹見せ

 腹見せで気になるのは、望まないセクシーさが出てしまうこと。体のラインを強調しないスタイリングに仕上げれば、むしろ健康的な見え具合に整います。ポイントは体の線を見せない“ゆるシルエット”です。

 マルチカラーの「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」は、ネオンカラーやくすみ色をミックスした複雑な色味がウエストから目を引き離す効果を発揮。ハイネックとロングスリーブも視線を散らしてくれます。体の線を拾わないシルエットがセクシーなムードを封印。爽やかなホワイトパンツもマルチカラーのトップスを引き立てています。

リュクス×カジュアルでこなれた着映えに

 ネックゾーンが詰まったタイプのトップスは、視線を引き上げてくれるのでクロップド丈が目立ちにくくなります。腕や脚などウエスト以外の素肌を大胆に露出するのも、ウエストから視線をそらす効果が期待できるテクニックです。

 「バルマン(BALMAIN)」のハイネックは、メタリックの生地がきらめいて、リュクスな印象。実はクロップド丈なのですが、光る生地のおかげでトップスに視線が行き、わずかなお腹見せはほとんど目立ちません。さらに、正面に施したあでやかなドレープで気品をまとわせました。ボトムスは、あえてデニムの膝上丈のパンツでコーディネート。“リュクス×カジュアル”の掛け算で、こなれた着映えに整えました。

 クロップドトップスの着こなしで心がけたいのは、ウエストゾーンを強調しないさりげなさ。やりすぎないさじ加減が肝心です。ここが1980年代の振り切った肌見せとは違う点です。羽織物でさりげなくカムフラージュしたり、首元・腕を隠してみたりといった、節度を保つアレンジが有効です。ハイウエストボトムスを選んで、ウエストゾーンをすっきり見せるのも今どきの合わせ方。上手に操れば、健やかさと着やせをダブルで得られるので、この夏はクロップドトップスを取り入れてみては。

ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:
多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い

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