ファッション

コート不振の中でコートが売れ続ける「エブール」 21-22年秋冬は60万円のカシミヤコートも企画

 サザビーリーグのウィメンズブランド「エブール(EBURE)」は2021-22年秋冬、強みのアイテムであるコートの販売に改めて力を入れる。「コロナ禍で外出機会が減った昨年も、暖冬だった一昨年も、他社がコート販売で苦戦する中で好調だった」とブランド担当者。消費者の実需志向が強まる中、コートの売れる時期は全般的に後ろ倒しになっているが、同ブランドでは9月から動き始めるといい、「10〜11月は売り上げの半分近くをコートが占める」という。

 今季は7〜8月にコートの受注会を行うとともに、9月半ばにはコートをバリエーション豊富に打ち出すイベントを実施し、販売を盛り上げる。9月のイベントの軸にする主力コートは、“スーパー120”と呼ばれる上質なウール素材を使ったダブルフェース(ガウンタイプやショート丈など3型)と、メルトン加工を施したウールのダブルフェース(2型)。どちらの素材もカシミヤのような光沢やきめの細かさがありつつ、価格はロングコートで11〜12万円台(税抜)という点が、「クオリティーに対する価格のバランスがよく、支持されている」という。

 “スーパー120”のダブルフェースはブランドとして毎年出し続けている定番人気の素材。昨年最も売れたコートも、“スーパー120”のノーカラータイプだった。同デザインは今季もポケット位置などを調整し、9万9000円で販売する。

 より上質な素材を使った高価格帯のコートも増やしている。カシミヤのヘリンボーン織りという、老舗ラグジュアリーブランドも使用するスペシャルな素材は、あえてフード付きのカジュアルなデザインに落とし込んだ。60万円という価格はブランドとしても初めて挑戦する領域という。一方で、エントリー価格の商品として、ウールの表地とジャージーの裏地を貼り合わせたコート(7万3000円)なども企画している。

 コート以外では、家で過ごす時間が増えていることを受けて、リラックス感のあるニット類を拡充。カシミヤのセーター(4万3000円)、パンツ(5万6000円)、ガウン(6万9000円)のセットアップなどをそろえる。

 「エブール」は16年秋に、コート10型を「ロンハーマン(RON HERMAN)」で販売する形でブランドをスタート、21-22年秋冬で5周年を迎える。旧サンエー・インターナショナル(現TSIホールディングス)で「ボディ ドレッシング(BODY DRESSING)」「アドーア(ADORE)」などを立ち上げてきた酒井典子が手掛けており、40〜50代前後を中心に大人の女性から支持を集めている。現在、直営店はギンザ シックスや日本橋高島屋S.C.など8店。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

原宿・新時代 ファッション&カルチャーをつなぐ人たち【WWDJAPAN BEAUTY付録:中価格帯コスメ攻略法】

「WWDJAPAN」4月22日号の特集は「原宿・新時代」です。ファッションの街・原宿が転換期を迎えています。訪日客が急回復し、裏通りまで人であふれるようになりました。新しい店舗も次々にオープンし、4月17日には神宮前交差点に大型商業施設「ハラカド」が開業しました。目まぐるしく更新され、世界への発信力を高める原宿。この街の担い手たちは、時代の変化をどう読み取り、何をしようとしているのか。この特集では…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。