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YouTubeのDislikeボタンって、必要ですか? エディターズレター(2021年2月1日配信分)

※この記事は2021年02月01日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

YouTubeのDislikeボタンって、必要ですか?

 昨日は3つの配信番組に出演し、正直、疲れたし、変な汗をかきました(笑)。動画配信を本格化して1年、少しずつ慣れてきましたが、まだまだ試行錯誤です。

 YouTubeに向き合う機会が増えて以降常々思っているのですが、Dislikeの評価ボタンって、必要ですか?「Likeだけじゃダメ?」ってず~っと思っているのです。アレ、携わる人間はやっぱり傷つくんですよね。仮に批判的な意見を抱くのであれば、「Like」を押さないとか、すぐに離脱する、コメント欄に意見を寄せれば良いワケで、いろんな指標の計測で視聴者の満足度は類推できる配信側からすれば、「Dislike」がなくても「気に入ってもらえなかったか、残念!!」は分かります。なのに、このプラットフォームは、敢えての「Dislike」。個人的には、存在理由がわかりません。

 なんて思っていたら先日、「結構、Dislike押しちゃいます」っていう方に出会いました。上述の思いを伝え、その上で「なぜ?」と聞いてみると、「悪気はなくって、単純に改善して欲しいから」だそう。「すぐ話題に入ってくれない」や「長すぎる」「前回の方が面白かった」などなどを感じると「Dislike」するらしく、正直心の中では「え、その程度で!?」と思ってしまいます。でも、本人も何度も主張するし、本当にそのようなので繰り返しますが、「本当に悪気はなく、むしろファンだから」だそう。こうなると、発信側と受信側の双方で「Dislike」に対する「共通認識」が必要では?なんて思っちゃいます。例えば、「このYTチャンネルでは、『出演者がキライ』とか『コンテンツがツマラない』ではなく、『前回の方が良かった』という時だけDislikeを押しましょう」ってお願いしちゃうとか?そうすれば、押された側のショックは軽減できるのでは?なんて考えるのですが、甘っちょろいでしょうか?

 SNSにはそれぞれ、“トンマナ”みたいなモノが存在すると思っています。例えばTikTokは、「ユーモア」が全体を支配しているから、コメントも総じてポジティブ。一方のTwitterは、エゴサにまぁまぁの勇気が必要です。Yahoo!は、寄稿者の方ならコメント欄の閲覧はヤメましょう(苦笑。余談ですが、あのコメント欄も必要ですか?悪意を増幅しているようにしか思えないし、Yahoo!のブランディングにとってもマイナスだと思うのですが……。安直なPVを求めているとしか思えません)。YouTubeは、率直に申し上げれば「正直と下品を行ったり来たり」でしょうか?ぶっちゃけたり、本音を吐露したりは良いところだと思いますが、バズるため過激になったり、あまたの動画から見つけてもらうため誇大広告のようなサムネになるのは悪いところ。その「正直」と「下品」が同居する様子は、同じく、ある人には「正直」に伝えるためのツール、私には「下品」にも思える機能であるDislikeの評価ボタンとの因果関係がありそうです。

 機能は全体に影響し、全体から機能が生まれるんだな、と改めて実感します。私たちに当てはめると、メディアという器はコンテンツを左右し、コンテンツはメディアに影響するという解釈でしょうか?同じこと、いろんな組織と、そこから生まれてくるモノやサービスにも当てはまりそうですね。

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