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ティファニー対LVMH訴訟 泥沼の争いは21年1月に法廷へ

 ティファニー(TIFFANY & CO.)がLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)を相手取り、合併契約の履行を求めて米デラウェア州衡平法裁判所に提訴した件について、同裁判所はトライアル(証拠開示で入手した情報を基に争点について事実を明らかにする審理手続きのこと)を2021年1月5日から4日間にわたって実施すると決定した。

 ティファニーが9月16日に発表したリリースによると、LVMHは答弁書の中でトライアルの開始時期を6~7カ月延期するよう求めたといい、これに対してティファニーのロジャー・ファーラー(Roger Farah)会長は、「合併話を時間切れにさせるための策だ。主張に自信があるのであれば、トライアルを遅らせる必要はないはずだ」と批判し、ティファニーは合併の最終期限である11月24日に間に合うように訴訟を進行するよう裁判所に求めたと発表した。これに対してLVMHは翌17日のリリースで、ティファニー社は通常よりも早い訴訟進行を求めており、都合の悪い結果について株主への説明責任を逃れるためだと主張し、通常通りのスピードでの進行を求めたと明らかにした。

 両社の主張を受けて裁判所は1月5日から4日間でトライアルを実施することを決定した。これは、すでに承認されている米国での独禁法関連の届け出の有効期間が21年2月3日で切れるため、それに間に合うよう配慮したと見られている。

 裁判所の判断を受けて両社はそれぞれリリースを発表した。ティファニーは裁判所が指定した期日を歓迎し、改めて本件訴訟における争点と自社の主張を掲載し、LVMHもティファニーが求めていた期日よりも後ろ倒しで設定されたことについて触れ、勝利への自信をのぞかせている。

米「WWD」によると、本件を担当するジョセフ・R・スライツ3世(Joseph R. Slights 3rd)裁判官は、法廷外での決着の道も探っているという。「訴訟を避けるための生産的な議論が近い将来できるかもしれない」とコメントしている。

 9月9日にLVMHがフランスの欧州・外務大臣からティファニー買収の完了日を21年1月6日まで延期するよう要請されたことを理由にLVMHが「現在の情勢では、ティファニー社の買収を完了できない」と断念する姿勢を示したことを受けて、ティファニーは同日に本件訴訟を提起した。これに対してLVMHはティファニー社と同社の経営陣に対して新型コロナウイルス禍の危機管理対応が適切でなかったとして訴訟を提起する準備を進めていると発表。その後も両社によるプレスリリースの応酬が続いていた。

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