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21年春夏ファッション・ウイークの見どころ デジタル活用でコレクション発表がより身近に

 9月13日開幕のNYコレクションを皮切りに、2021年春夏ウィメンズのコレクションサーキットが始まる。今年は新型コロナウイルスの感染防止のため、ファッションショーなどを行う場合は政府のガイドラインに沿った感染対策や人数制限、または無観客の屋内か屋外での開催を基準とする。またデジタル形式でのコレクション発表を推進するNYとロンドンではプラットフォームを作り、現地での取材や買い付けができないメディアやバイヤーに向け、ファッションショーだけでなく動画やルックブックの配信のほか、バイヤーのための個別アポイントメントを受け付けるなど、各都市での取り組みもさまざまだ。

 なおアジアでは、10月8日から「Tモール(T MALL)」と提携して初のオンライン開催を行う上海ファッション・ウイークが開幕後、東京は12〜17日、ソウルは20〜25日、中国(北京)は25日〜11月2日の開催を発表している。

ニューヨークは全てデジタル配信に。
イベント時は収容人数を制限し、屋内は観客なし

 ニューヨーク・ファッション・ウイーク(NYFW)を主催するアメリカファッション協議会(Council Of Fashion Designers Of America、CFDA)は今シーズン、9月13日から4日間に短縮してNYコレを開催する。今回はビジネスツールを兼ねた総合デジタル・プラットフォーム「ランウエイ360(RUNWAY360)」を導入し、ルックブックや動画の公開、ショーのライブストリーミング配信といった完全デジタル形式での発表を行う。参加ブランドは60で、うち15が新ブランド。ショーなどイベント開催の場合は、NY州の安全衛生のガイドラインに沿って屋外は最大50人まで、屋内はスペースに対して、スタッフやモデルなど50%までの収容人数に制限し、観客はなしとする。キックオフは、9月13日17時(現地時間)にスタート予定の「ジェイソン ウー(JASON WU)」によるライブファッションショーで、公式会場の「スプリング・スタジオ」屋上の会場に25〜30人の観客を招く。ラストは、16日19時に「トム フォード(TOM FORD)」がコレクション画像を投稿して発表する。なお、「レベッカミンコフ(REBECCA MINKOFF)」は20-21年秋冬を“SEE NOW, BUY NOW(見てすぐ買える)”で発表予定だ。

 なお、「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCOULER)」や「ラルフ ローレン コレクション(RALPH LAUREN COLLECTION)」「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」「トリー バーチ(TORY BURCH)」は参加しない予定で、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」は15日9時からSNSを使って独自でライブ配信する。また「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」については21年春夏コレクションは生産しない予定だという。

ロンドンは「JW」や「トーガ」など大半がデジタル形式の発表に。
「バーバリー」はライブストリーミングで動画を一般公開

 「ロンドン・ファッション・ウイーク セプテンバー2020」と題した今回のロンドンコレは9月17〜22日に、メンズとウィメンズそれぞれのショーや合同ショーなどを複合的に行う。80以上のブランドが参加し、50はデジタルのみの発表、21はプレゼンテーションも行い、7はリアルショーのみなど。リアルでショーを行うのは、「ボラ アクス(BORA AKSU)」や「マーク・ファスト(MARK FAST)」「プロナウンス(PRONOUNCE)」など。「ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW ANDERSON)」や「トーガ(TOGA)」「ヴィヴィアン・ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)」は動画配信のみ、「クリストファー ケイン(CHRISTOPHER KANE)」や「アーデム(ERDEM)」は動画配信と個別アポイントメント、「ヴィクトリア ベッカム(VICTORIA BECKHAM)」は動画配信とサロンプレゼンテーション、「ロクサンダ(ROKSANDA)」は個別アポイントメントのみ。動画は6月に立ち上がった公式のデジタルプラットフォームから配信される予定だ。キックオフは17日11時に、「バーバリー(BURBERRY)」が屋外でライブストリーミング動画を一般公開する。

「グッチ」なしのミラノに「ヴァレンティノ」が登場
ラフ参加の「プラダ」など28ブランドがリアルショーを開催

 9月22〜28日のミラノコレは、リアルなイベントとデジタルショーケースを織り交ぜて開催する。リアルなファッションショーを計画しているのは28ブランドで、「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」や「マックスマーラ(MAX MARA)」「エトロ(ETRO)」「トッズ(TOD’S)」「マルニ(MARNI)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)「MSGM」「サルヴァトーレ・フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」など。23日には「フェンディ(FENDI)」が初のメンズ・ウィメンズの合同ショーを、26日には「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」が初めて現地のテレビ中継でショーを行い、「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」は「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」の小泉智貴デザイナーによるカプセルコレクションを披露する。

 「プラダ」は24日に、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)とラフ・シモンズ(Raf Simons)が共同で手掛けた「プラダ(PRADA)」の初コレクションを発表する。東京やNY、パリ、ロンドンなど世界11都市でバーチャル・ビューイングを行う予定で、その際に使用するキットも用意し、事前に自宅に配送するという。27日には「ヴァレンティノ(VALENTINO)」がパリから発表の場を移してメンズ・ウィメンズの合同ショーを行う予定だ。一方で、「ディースクエアード(DSQUARED2)」や「ミッソーニ(MISSONI)」「GCDS」「アンテプリマ(ANTEPRIMA)」「アツシ ナカシマ(ATSUSHI NAKASHIMA)」はデジタル形式で発表する予定だ。なお、年2回のショー開催を決めた「グッチ(GUCCI)」は参加しない。

パリコレ主要ブランドの参加はどうなる?
「セリーヌ」や「ギャルソン」「オフ-ホワイト」などリストに名前なし

 9月28日開幕のパリコレの暫定スケジュール(4日発表)では88ブランドが参加を表明している。具体的に記されていないものの、「ディオール(DIOR)」や「ランバン(LANVIN)」「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」「ロエベ(LOEWE)」「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」「エルメス(HERMES)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」「シャネル(CHANEL)」「ミュウミュウ(MIU MIU)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」はリアルかデジタル形式で、ファッションショーまたはプレゼンテーションなどでの発表を予定している。キックオフは17時の「マメ(MAME KUROGOUCHI)」で、映像を発表する。

 一方で、スケジュールに名前がなかった「セリーヌ(CELINE)」や「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」などは未定。なお、「サカイ(SACAI)」も名前がないが、阿部千登勢デザイナーは「WWDジャパン」9月7日号のインタビューで、状況次第と前置きしつつ、「できればランウエイショーで見せたい」と話した。

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2020年春夏、コロナ禍でも売れたものは何だった? 富裕層の高額品消費意欲は衰えず

「WWDジャパン」9月21日号は、「2020年春夏、有力店で売れたもの」特集です。WWDで毎シーズン恒例となっている有力店の商況調査ですが、コロナ禍に見舞われた今春夏は、多くの商業施設が営業を再開した6~7月の期間で消費動向や好調なブランドを調査しました。化粧品、特選、婦人服、紳士服などの9つのカテゴリー別に各店のデータをまとめています。コロナで大苦戦という声が大半を占めると思いきや、こと特選カテ…

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