
オンワードホールディングスが、主力のアパレル事業に次ぐ成長の柱として「コスメ事業」の拡大に本腰を入れている。
同社は1月8日に開いた2025年3〜11月期決算説明会で、コスメ事業の売上高を現在の50億円(26年2月期見通し)から、5年後の31年2月期に150億円まで引き上げる計画を明らかにした。
営業利益率25%超 ネイルの優良企業を買収
オンワードHDは昨年12月、セルフネイル商品の企画販売を主力とし、ジェルネイルブランド「ジェルミーワン(GEL ME 1)」などを展開するコスメ・デ・ボーテの全株式を取得し、3月をめどに完全子会社化すると発表した。
コスメ・デ・ボーテにおいて特筆すべきは、その高い収益性だ。同社の24年11月期の営業利益率は25.7%。オンワードグループ全体の利益率は5%程度であり、グループ全体の利益底上げに大きく貢献する存在といえる 。
とはいえ本業はアパレル企業であるオンワードに、勝算はどこにあるのか。オンワードの保元道宣社長いわく、カギは同社が長年培ってきた「ECのノウハウ」にあるという。
自社EC活用で売り上げ増のシナリオ
買収するコスメ・デ・ボーテは、バラエティストアなど全国7000店舗以上に卸販売を行うなどリアル販路に強みを持つ一方、EC展開はこれまでほとんど手付かずの状態だった 。保元社長は「先方(コスメ・デ・ボーテ)からも、ぜひデジタル戦略の加速に手を貸してほしいという話があった。まずはECを伸ばすだけでも、かなり成長を加速させることができる」と自信を見せる。
オンワードは近年、気に入ったアイテムを最寄りの店舗に取り寄せる「クリック&トライ」など、OMO推進を主眼として、自社EC「オンワード・クローゼット(ONWARD CROSSET)」を戦略的に強化してきた。その結果、コロナ禍以前は15%程度にとどまっていたEC比率は、直近の25年3〜11月では28.2%まで高まった。
コスメ・デ・ボーテにもオンワードの会員基盤の活用やEC運営の知見を注入し、手薄だったオンライン販売を一気に拡大させることで、売上増のシナリオを描く。
アパレル不安定化の中で収益源を強固に
また、猛暑や暖冬など昨今の読めない気候の中でアパレル事業が不安定化する中、事業ポートフォリオを強固にする意味合いもあるだろう。コスメは洋服と比べれば、季節や気温にかかわらず売り上げの見込みが立てやすい。保元社長は会見で、「昨今の気候変動や事業環境の変化に対応するためには、アパレルに続く大きな事業の柱として(コスメを含む)ウェルネス領域を育てたい」と強調した。
オンワードの既存のビューティブランドは、3〜11月期の売上高が前年同期比28.0%増と好調なメイクアップブランド「チャコット・コスメティクス(CHACOTT COSMETICS)」、オーガニックヘアケアの「プロダクト(PRODUCT)」がある。これらにコスメ・デ・ボーテの「ジェルミーワン」を加えた3ブランドを柱として、コスメ事業の飛躍的な成長を狙う。