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OTB、25年は5.6%減収 「マルジェラ」は引き続き好調、市場では中国と欧州が不調

ディーゼル(DIESEL)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「マルニ(MARNI)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」などを擁するOTBの2025年12月期決算は、売上高が前期比5.6%減の17億ユーロ(約3077億円)、営業利益は同77.0%減の1010万ユーロ(約18億円)だった。

地域別の売上高では、景気回復が遅れている中国や卸が不調の欧州は減速が続いたものの、北米は同5.9%増、中東は9%増と好調。また、OTBが主要市場と位置付ける日本も堅調で、売り上げ全体の27.4%を占めた。

同社の25年における投資額は全体で6400万ユーロ(約115億円)だった。その主な用途は販売網の最適化で、58店を閉じた一方で49店をオープンし、25年12月末時点で600の直営店を構えている。売り上げ全体に占める小売りの割合は24年が57%、25年は60%だった。ほかには、業務のデジタル化や生成AIの本格的な導入にも投資。このため、営業利益率は前年の16.3%から15.1%に下がっている。

「クリエイティビティーが事業の核であるべき」とロッソ会長

昨年70歳となったレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)創業者兼会長は、「現在のような、経済上および地政学上の先行き不透明感によってファッション業界が減速している複雑な時期においても、クリエイティビティーが事業の核であるべきだ。クリエイティビティーこそが、いかなる危機をも乗り越えるための真のツールであり、変化を前向きに捉え、難局を成長機会へと変えてくれるものと確信している。クリエイティビティーは美的なことだけでなく、イノベーション、サステナビリティ、そして現代のビジネスを運営する勇気を結合する戦略的なビジョンを指す。当グループ全体が進むべき方向を示すものだ」と語った。

ウバルド・ミネッリ(Ubaldo Minelli)最高経営責任者(CEO)は、「25年はファッション業界にとって非常に厳しい一年だったが、堅実な業績を上げることができて誇らしく思う。今後も長期的かつ持続的な成長のため、戦略的な資産であるプロダクトとサプライチェーンに注力していく」と述べた。

「メゾン マルジェラ」は8.4%増収と好調

同社はブランド別での売上高は開示していないが、ラグジュアリー部門に属する「メゾン マルジェラ」が引き続き好調で、現地通貨ベースで同8.4%増と傘下ブランドの中で最も大きな成長を見せた。なお、同ブランドのクリエイティブ面を14年から率いていたジョン・ガリアーノ(John Galliano)前アーティスティック・ディレクターは、24年12月に退任を発表。これを受け、25年1月からは「ディーゼル」のグレン・マーティンス(Glenn Martens)=クリエイティブ・ディレクターが「メゾン マルジェラ」の指揮も執っている。

ほかにも、3月には「ジル サンダー」がシモーネ・ベロッティ(Simone Bellotti)新クリエイティブ・ディレクターを、7月には「マルニ」がメリル・ロッゲ(Meryll Rogge)新クリエイティブ・ディレクターを迎えた。

「ディーゼル」は過去10年で最高の業績に

グループ内で最大の売り上げ規模の「ディーゼル」は、過去10年で最高の業績を記録。ブランドのリポジショニングのほか、販売網や卸先の合理化などが奏功したという。なお、同ブランドは23年2月にエラルド・ポレット(Eraldo Poletto)元CEOが退任して以来、ロッソ会長やミネッリCEOが暫定的に同職を兼任してきたが、26年1月にアンドレア・リゴリオージ(Andrea Rigogliosi)CEOが就任している。

IPOは「より望ましい環境や状況になれば検討」

ミネッリCEOは、兼ねてより期待されている新規上場(IPO)について、「引き続き戦略の一つとして残っているが、時期は決まっていない。当社は長期的な視点で事業の強化に取り組んでおり、より望ましい環境や状況の際に検討するかもしれない」とコメントした。同社は21年11月の時点では24年に、24年2月には24年後半から25年前半にIPOを実施したいとしていたが、25年2月の段階では「26年に実施するかもしれない」とややトーンダウンしていた。

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