ファッション

アシックスがスマートシューズ市場参入 内蔵センサーで走りをリアルタイム判定

 アシックスは、センサーで足の動きを計測し効果的なトレーニングをサポートするスマートシューズ“エボライド オルフェ(EVORIDE ORPHE)”の先行予約販売を開始した。センサーシステムを開発するノーニューフォークスタジオと共同開発した。先行予約はクラウドファンディングサイト「マクアケ(MAKUAKE)」で10月18日まで受け付け、製品は11月以降に届ける予定。12月からはアシックスの一部直営店とオンラインストアでも扱う。価格はシューズ単体が1万1500円、センサーとのセットが3万1500円(いずれも先行予約価格)。

 同モデルは“シューズをコーチに”をコンセプトに開発したスマートシューズで、スマートフォンの専用アプリにブルートゥースで接続して使用する。ミッドソールに内蔵されたセンサーが走行距離やラップタイムのほか、ストライド(歩幅の長さ)、ピッチ、着地エリアとその衝撃、足の接地角度などを計測し、アプリに送信。それらのデータにアシックススポーツ工学研究所で蓄積してきた知見を組み合わせ、ランニングのスコアを5項目から算出する。ランニングのフィードバックは音声案内によってリアルタイムで受けられるほか、ユーザーの特徴に応じたトレーニングメニューも提案。ランナーの効率的なステップアップをサポートする。

 7月21日にオンラインで行った発表会には、廣田康人アシックス代表取締役社長COOや同シューズの開発に携わったスタッフらが登壇した。アシックススポーツ工学研究所の原野健一所長は「継続的にランナーにヒアリングしているが、理想的な走りと現実とのギャップで悩んでいる人はとても多い。自分の走りを客観視し、効果的な練習を行うサポートができればと思ったことから、このシューズを構想した」と開発の経緯を振り返る。同研究所の猪股貴志氏は「ランニングのデータが可視化できるウェアラブルデバイスはいくつも開発されている。しかし、音声案内によってリアルタイムでフィードバックを受けられるもの、また適切なトレーニングメニューまで提案するものはほかに無い。この性能をぜひ多くの人に試してもらいたい」とアピールする。

 スタートアップ企業のノーニューフォークスタジオは、計測技術の開発やアプリ開発を担当。高い計測技術とシューズ本来の機能性に影響を及ぼさない軽さを備えたセンサーが必要だったため、足の動きをデータ化する既存のデジタルセンサー「オルフェ トラック(ORPHE TRACK)」を改良し、50%軽量化させた。菊川裕也ノーニューフォークスタジオ代表取締役 CEOは「3年前からこのプロジェクトを進めてきた。既存センサーの軽量化には本当に苦心したが、それが成功したからこそこの日を迎えることができた」と当時を振り返る。また、「ランニング分野の研究は進んでいるが、市民ランナーがそれを活用する機会はなかった。“エボライド オルフェ”によってランナーたちはよりよいランニング生活を送ることができるし、集まったビッグデータにより研究もどんどん加速するだろう」と胸を膨らませる。

 アシックスは同モデルで本格的にスマートシューズ市場に参入する構えだ。原野所長は「パーソナライゼーションによってユーザーニーズに対応することがランニング市場を勝ち抜くカギ。われわれはデジタル活用によってそれを実現していく。デジタルデバイス搭載がランニングシューズのスタンダードになる時代が来るかもしれない。“エボライド オルフェ”はその第一歩だ」と展望する。

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