ファッション

「写真はもう死んだ」 巨匠ニック・ナイトが語るデジタル時代のイメージメーキング

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 新型コロナウイルスの危機は、ランウエイショーや紙媒体という昔ながらの物理的フォーマットを重視してきたファッション業界にデジタル化という大きな変革をもたらしている。ただし、多くの業界人にとってなじみのないデジタルへの移行は、“月旅行”と同じくらい難しいものだ。そんな人々に耳を傾けてほしいのは、常に時代の先を見据えて、30年以上にわたり第一線で活躍を続ける巨匠ニック・ナイト(Nick Knight)の言葉だ。

 写真家としての地位を築きながらも“服の動き”の重要性を信じるナイトは、1980年代から映像を取り入れ、その後もテクノロジーを駆使した新たなファッションの表現に取り組み続けている。2000年には、デジタルでの表現の可能性を探求するためにファッションウェブサイト「ショースタジオ(SHOWSTUDIO)」を創設。山本耀司やアレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)といったデザイナーたちとのコラボレーションや、グローバルブランドの広告キャンペーン、有名ファッション誌のエディトリアルで知られる一方で、新進気鋭のデザイナーやアーティストとのプロジェクトにも力を注いでいる。そんなナイトのこれまでのキャリアや信念に迫るとともに、ファッション業界に押し寄せる変化の波についての意見を聞いた。(この記事はWWDジャパン2020年6月8日号からの抜粋に加筆しています)

1980年代からファッションの
映像での表現に着目

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