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アディダスがライバル企業、ナイキの投稿をリツイート 共に人種差別に抗議

 米ミネソタ州ミネアポリス近郊で5月25日に、黒人のジョージ・フロイド(George Floyd)氏が偽札使用の疑いで逮捕される際に、白人であるデレク・ショーヴァン(Derek Chauvin)警察官(当時)に膝で首を押さえつけられ死亡した事件を巡り、SNSや全米で抗議運動が広がっている。市民が撮影した動画では、フロイド氏が「息ができない」と訴え、周囲の市民が膝を首からどけるように促していたにもかかわらずショーヴァン警察官らが約8分間にわたり首を圧迫した様子が捉えられていた。この動画は瞬く間にSNSで拡散され、その残虐性や理不尽さは人々に衝撃を与えた。26日にはこの事件に関与した警察官4人が解雇され、そのうちショーヴァン元警察官は第3級殺人と故殺の容疑で地元検察当局が29日に訴追した。

 SNSではフロイド氏が最期まで訴えていた「#ICantBreathe(息ができない)」のほか「#BlackLivesMatter」や「#Policebrutality」などのハッシュタグとともに、人種差別や警察による暴力を含む社会的構造の是正を訴える声が広がり、著名人や企業もこの運動に賛同する表明をしている。米ナイキ(NIKE)は5月30日にスローガンである「Just Do It」ではなく、「For Once, Don't Do it(今回だけは、それをするな)」というメッセージで始まるキャンペーン動画を「#UntilWeAllWin(われわれ全員が勝つまで)」というハッシュタグとともにSNSで公開した。

 キャンペーン動画で米ナイキは、「今回だけは、それをするな。アメリカには何も問題がないというふりをするな。人種差別から目を背けるな。無実の命を奪うことを許すな。これ以上言い訳をするな。これは自分には関係ないと考えるな。傍観し沈黙するな。自分は変革の一部になれないと思うな。みんなで変革の一部になろう」と訴えた。ナイキは2018年にも人種差別を抗議するムーブメントを生んだアメフト選手のコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)を広告に起用している。

 これに対し、スポーツウエア業界のライバルとされるアディダス(ADIDAS)も5月30日、このツイッター投稿を引用リツイートし、「協力することで前に進むことができる。協力することで変革を起こすことができる(Together is how we move forward. ⁣Together is how we make change)」というメッセージとともに、その行動で垣根を超えて一致団結することの重要性を訴えた。

 31日には、アディダス傘下のリーボック(REEBOK)もSNSでコメントを発表。「ブラックコミュニティーなしに、リーボックは存在しない。アメリカも存在しない。われわれの靴を買ってと頼んでいるのではない。他の人の立場に立ってほしいと頼んでいるのだ。連帯して立ち上がるために、人類共通の地を探すために」と表明した。

 そのほか、「フィラ(FILA)」は「#BlackLivesMatter」プロジェクトに10万ドル(約1070万円)を寄付、「プーマ(PUMA)」はミネソタ・フリーダム基金(Minnesota Freedom Fund)に寄付することを宣言した。「i-D」「ハイプビースト(HYPEBEAST)」「ハイスノバイエティ(Highsnobiety)」などのメディア、英ECサイトの「エイソス(ASOS)」もこの事件に抗議する立場を表明している。またツイッター(TWITTER)は、公式ツイッターアカウントのプロフィールに「#BlackLivesMatter」と記載。さらに、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が抗議運動に参加する人々を「THUG(悪党ども)」と表現し「略奪行為が始まれば、銃撃も始まる」と、略奪行為に走る人々には銃撃も厭わない意志を示したツイートに対し、「暴力の賛美についてルールに違反している」と警告を表示した(投稿はユーザーの任意で表示することができる)。