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プラダが産業汚染された土地を再生 東京ドーム2個分の巨大産業施設を公開

 プラダ(PRADA)は、イタリアのトスカーナ州ヴァルヴィーニャの新施設を6月8日に公開した。2017年に完成した同施設は4つのビルで構成されており、敷地を含むと広さは約10万平方メートルにもおよぶ。設計を手掛けたのは建築家のグイド・カナーリ(Guido Canali)だ。施設内には「プラダ」と「ミュウミュウ(MIU MIU)」のレザーグッズの生産工場、28万平方メートルにおよぶ皮や25万〜30万種類の布見本などを格納する素材倉庫、9000個のバッグと6万7000足のシューズを含むレザーグッズとフットウエアのアーカイブ、ジェネラルサービス部と生産管理部のオフィス、大講堂、システムエリア、データプロセスセンターなどの機能や設備を備え、現在785人の従業員が働く。施設の周囲にはブドウ、クワ、ザクロ、ナツメ、ラベンダーなど2万9000本の低木と8700本のつる植物、33本の高木が植えられている。

 プラダがこの土地を購入したのは1998年のことで、当時は屋根がコンクリートのタイルで覆われた荒れ果てた工場だったという。パトリツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)最高経営責任者(CEO)は、「われわれは長年サステイナブルな活動を続けてきた。ヴァルヴィーニャが位置するアレッツォ地域の土地は、化学薬品会社やメタル産業によって汚染されていた。この地域に配慮し、産業廃棄物を処理しようとした。今でこそサステイナビリティーがあちこちで語られているが、当時は産業廃棄物の処理方法など誰も気にしていなかった」と振り返る。同氏は同施設への投資総額の公開は控えたが、敷地内の植栽だけでも200万ユーロ(約2億5800万円)を投じたと明らかにした。現地メディアが報じた投資総額7000万ユーロ(約90億3000万円)には満たないとベルテッリCEOは話した。

 さらにベルテッリCEOは2020年にルーマニアにレザーグッズ工場をオープンし、生産の約80%を所有工場もしくはプラダが直接管理する施設で行う計画も明らかにした。

 なお同新施設は、「プラダ」のアイコンでもあるナイロンをテーマに、6月初旬に公開したSF短編フィルムシリーズ「ナイロン ファーム(NYLON FARM)」の撮影の舞台になっている。

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