日本流行色協会(JAFCA)は、2026年の色に“ハートフェルト・ピンク(Heartfelt Pink)”を選びました。明るく柔らかな色調のピンクで、幸せな気持ちで心を満たすイメージが託されています。今回は、国内ブランドの26年春夏コレクションから、“ハートフェルト・ピンク”に近いカラーのルックをご紹介します。
ピンクが選ばれた背景には、不穏な情勢が続き、生活不安が長引く中で、安心・安全を求める意識の高まりがあるようです。過度な刺激を避ける心理から、癒やしを感じさせる淡い色が支持を集めているようです。寛容さや思いやりを象徴する柔らかな色として、ピンク系が選ばれました。
例えば、「タエ アシダ(TAE ASHIDA)」は、ホルターネックのワンピースを披露しました。ティアードが流れ落ちるような表情を生み出し、軽やかな動きを印象付けています。襟元にはラッフル、ウエストにリボンと、甘さのあるディテールを配しながらも、くすみを帯びたトーンのおかげで大人らしいたたずまいを感じさせます。
甘さを抑えるミニマルピンク
甘いイメージを持たれがちなピンクを大人っぽくまとうには、ミニマルなシルエットが役立ちます。装飾を抑えたスタイルが凛とした雰囲気を演出し、ピンク特有のスイートさを程よく中和します。
「マメ クロゴウチ(MAME KUROGOUCHI)」は、シアー素材のミニマルなセットアップをピンクで彩りました。優美なドレープを施すことで、控えめながらもエレガンスを漂わせています。透け感のあるボトムスが軽やかさを添え、黒のハイネックトップスとバッグによって、全体のコントラストを際立たせました。
シアー素材でエアリーなエレガンス
透ける質感は色のトーンを和らげるので、派手さを控えたピンクルックに向いています。猛暑を回避しやすいシアー素材のウエアとも好相性です。ボディーになじみやすく、“ハートフェルト・ピンク”の持ち味を自然に引き出してくれます。
「ハルノブムラタ(HARUNOBUMURATA)」のドレスは、フィルムのような半透明な素材でボディーを包み込みました。光を照り返すような質感がピンクのトーンをやわらかく整えています。脚をほんのり透かすことで、エアリーな趣に導きました。
ヘルシーにまとう軽快ピンク
健やかでアクティブなムードを取り入れるのも、ピンクを軽快にまとうのに有効な手法です。淡いトーンとヘルシーな雰囲気が重なり合うことで、ピンク特有のガーリーさを遠ざけられます。角張ったシルエットや直線的なカッティングは、クールな印象を強める選択肢といえるでしょう。
若々しくヘルシーなピンクルックを提案したのは、「アンテプリマ(ANTEPRIMA)」。半袖のボクシーなシアーニットをワンピース感覚でまといました。中にレイヤードした白シャツもシアー素材で、軽やかな抜け感を演出しています。白ソックスとスニーカーを合わせ、清潔感のあるスタイリングに仕上げました。
スーツでかなえる“きちんとピンク”
スーツやセットアップは“きちんと感”があるので、ピンクの幼さを抑える効果が高いアイテムです。取り入れやすいのは、トーンを落としたくすみピンク。白シャツとのコンビネーションなら、お仕事ルックでも活躍の幅が広がります。
「シーエフシーエル(CFCL)」は、ニット仕立てのパンツスーツをくすみピンクで表現しました。正統派のスーツスタイルでありながら、ニットならではのソフトな着心地が魅力。トップスのポロシャツはクロップド丈で、お腹まわりをさりげなくチラ見せ。白いバッグとスニーカーで、爽やかなツートーンにまとめています。
つやめきピンクで優美な色香
ランジェリーライクなつやめきを帯びたウエアが、新たなトレンドとして浮上しています。ドレッシーに映るので、ピンクの甘さを落ち着かせる効果も期待できそう。フェティッシュやセンシュアルなムードをまとえる点も魅力といえるでしょう。
「アキコアオキ(AKIKOAOKI)」は、ランジェリーを思わせるレースをあしらったワンピースに、くすみピンクを取り入れました。たっぷりと施したドレープが、きれいな落ち感を生み出しています。やさしげなトーンは肌なじみも良好。スニーカーもピンクでそろえ、統一感のあるスタイリングに仕上げました。
名前の通り、“ハートフェルト・ピンク”は、気持ちを和ませ、自分自身を癒やすような力を持つ色です。桜のシーズンにもふさわしいカラーだけに、春の装いにぜひ味方に付けておきたいところです