売上高は2024年下半期に続き2ケタ増を記録。国内需要の底堅さを軸に、訪日客需要に左右されることなく、右肩上がりの成長を続けている。SHIBUYA109エンタテイメント店舗運営部担当部長兼MAGNET by SHIBUYA109総支配人を経て、4月に現職に就任した牛島渉SHIBUYA109渋谷店総支配人にその背景と戦略を聞いた。なお、丸山康太前総支配人は東急 文化・エンターテインメント事業部エンターテインメント戦略グループ参事に就任した。(この記事は「WWDJAPAN」2025年8月25日号特別付録ビジネスリポート)からの先行公開で、無料会員登録で最後まで読めます)
WWD:2025年上半期の商況は?総支配人就任にあたり館の方向性に変化はあるか?
牛島渉SHIBUYA109渋谷店総支配人(以下、牛島):売上高は前年同期比19.7%増、アパレルカテゴリーも同16%増と好調を維持し、予算もクリアした。一方で、客単価は昨年下半期が同13%増だったのに対し、今年上期は同7%増と高止まりの傾向にある。要因としては、商品単価を上げるところまで上げきったこと、そして訪日客需要がやや落ち着いたことが挙げられる。ただし、春以降は来館者数・購買率ともに堅調に伸びており、総じて良い結果となった。4月以前も館の前総支配人と共に館の営業面を担ってきており、路線変更は特にない。
WWD:6月以降、訪日客需要の減少が指摘されているが、影響は?
牛島:免税売上高は同46%増、全体に占める比率は16%ほどで増加傾向にはあるが、24年下半期が同70%増だったことを考えると、明らかに鈍化傾向にある。もともと比率も単価も高くないので大きな影響はなかった。
WWD:では好調の要因をどう分析するか。
牛島:ゴールデンウイークを境に、コロナ禍で離れた地方からの来館者がようやく戻ってきた印象で、われわれが主軸とする国内の若年層の来館が増加したことが大きい。購買率も同10%増で、リニューアルを通じて“今”の空気を捉えたブランドをそろえてきたことが奏功している。
WWD:来館者の層に変化はあったか?
牛島:“推し活”目的の層が増えている。悪天候でも宿泊費が上昇していても、推しに関連したイベントや買い物であれば積極的に行動する傾向が強い。アパレルが伸び悩む6月も来館数が大きく伸びた。6階のガーリー系ブランドを中心に、ライブに着て行く参戦服などの“推し活”のニーズを捉えた店舗が軒並み好調だった。
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