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アシックス廣田会長「売上高1兆円を実現すれば、違う世界が見えてくる」

アシックスの売上高1兆円超えが現実味を帯びてきた。このほど2025年12月期の連結業績予想を上方修正し、売上高が8000億円(修正前は7800億円)、営業利益が1360億円(同1200億円)になりそうだと発表した。コロナ前の19年12月期に比べて売上高は2倍以上という猛スパート。30年を目安にしていた1兆円を前倒しで実現しそうな勢いだ。

14日に都内で行われた決算説明会で、成長持続の条件について廣田康人会長CEOは「技術力」を強調した。「今の好調の原動力は(スポーツシューズの)機能に尽きる。安心・安全に走ることができて、そして記録にも結びつく。『アシックスを一度履いたら、もう他の靴は履けない』と思ってもらえるようにする。決して妥協してはいけない」と述べた。スポーツシューズで培われた技術力は、「オニツカタイガー」「スポーツスタイル」といったファッションスニーカーの武器にもなる。

かつては売り上げとシェアの拡大を求めるあまり、値引き販売で利益率を犠牲にしていた。現在は競技向けでもファッション向けでも高付加価値の商品が定価で売れる。徹底した経費コントロールが定着したため、25年1〜6月期の営業利益率は20.1%の高水準になった。製販一帯の態勢が整い、積極的に売り上げを追求できるフェーズに入ったと廣田会長CEOは見る。「まずは1兆円をできるだけ早く超える。超えれば違う世界が見えてくるはずだ」。

アシックスの時価総額は23年8月に1兆円、24年7月に2兆円をそれぞれ突破し、今月の上方修正を受けて3兆円を超えた。9月13日には「東京2025世界陸上」が開幕し、日本代表のユニホームや有力選手のシューズを提供する同社のメディア露出が増える。

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