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「デシグアル」が原宿の旗艦店をリニューアル 多様なアーティストとコラボし、ブランドDNAを体現

 スペイン・バルセロナ発のファッションブランド「デシグアル(DESIGUAL)」は9月、リブランディングの一環として東京・原宿の旗艦店をリニューアルオープンした。2010年に日本上陸を果たし、国内35以上の直営店、100以上の卸先を持つまでに成長した同ブランドは、日本市場をどう捉え、生まれ変わった旗艦店に何を期待するのか。アジア太平洋のマーケットを統括するバラッシュ・クリザニック(Balazs Krizsanyk)「デシグアル」ジャパン&アジア太平洋カントリーマネージャーに、それらについて語ってもらった。

WWDジャパン(以下、WWD):アジアで最初のリブランディングを東京・原宿の旗艦店で実施した理由は?

バラッシュ・クリザニック「デシグアル」ジャパン&アジア太平洋カントリーマネージャー(以下、クリザニック):日本が世界で最も重要なマーケットの一つだからだ。日本の消費者は非常に感度が高く、ニーズに応えるのは容易ではない。だからこそチャレンジするのが楽しい市場であり、消費者の反応をデザインやMDにフィードバックすることも多い。規模としては世界で5番目だが、日本の市場が他国に及ぼす影響力は大きい。そんな日本での旗艦店リニューアルは、われわれがリブランディングにかける思いの強さを表すものだ。

WWD:リニューアル後の旗艦店は、3階をエクスペリエンス・フロアと名付けて、カスタマイズサービスを提供するカウンターやアーティストの作品などを展示するギャラリーを設置した。

クリザニック:それらに加えて、来店客がくつろぐラウンジ機能も備えている。このフロアを利用してさまざまな手法で顧客とのコニュニケーションをとり、ブランドの世界観を発信する。ギャラリーでは、国内外のアーティストの作品の展示や、このスペースを利用したコラボレーションを行う。ブランドの拠点であるスペイン・バルセロナはアートが根付いた街で、アートはブランドに欠かせない要素の一つだ。日本でも、有名・無名問わず多様なアーティストを起用する予定で、彼ら・彼女らにとってのプラットフォーム的存在になってほしい。

WWD:同フロアで行う第1弾の取り組みとして、日本人アーティストのとんだ林蘭氏による展覧会を開催中だ。とんだ林氏は同店のファサードデザインも手掛けているが、どのような経緯でコラボに至った?

クリザニック:彼女に声をかけたのは、彼女の超現実的かつ明確なアートスタイルに共感を覚えたからだ。リニューアルを決めたときからファサードデザインに日本人アーティストを起用することは構想していて、最初はファサードデザインのみ依頼する予定だった。しかし、打ち合わせを重ねるうちに話がどんどん広がり、コラボ作品の販売や展覧会を実施するまでにプロジェクトが発展した。

WWD:ほかにコラボが決定しているアーティストは?

クリザニック:スペイン人のストリートアーティスト、オクダ・サン・ミゲル(Okuda San Miguel)とのコラボレーションアイテムを発売する。カラフルな色使いと幾何学模様を取り入れた作風で知られる彼と共に、ブランドを代表するアイテム“アイコニックジャケット”(ビンテージデニムをパッチワークしたジャケットで、同ブランドが誕生するきっかけとなったアイテム)を製作した。ほかにも、歌手とタッグを組んでフォトブックを作るなど、幅広いアプローチでコラボレーションを行いたい。

WWD:アーティストにとってブランドとのコラボレーションは、自分の名を広める機会であると同時に、自分たちのクリエイションが制限される取り組みでもある。

クリザニック:そういった制限は最小限に抑え、アーティストに大きな裁量を与える。その方が健全な関係を構築できるし、結果として素晴らしい作品が出来上がる。今回のとんだ林さんとのコラボレーションもまさにそうだ。

WWD:この秋には名古屋に旗艦店をオープンする。東京に次いで名古屋に旗艦店を構える理由は?

クリザニック:名古屋のチャネルは、セレクトショップや百貨店などに限られていた。同エリアの消費者にブランドの世界観をより効果的に発信するため、旗艦店の出店を決めた。名古屋はEC売上高が東京に次ぐ2番目のエリアで、日本市場の成長に欠かせない都市の一つ。他の都市にはない独特のカルチャーもあり、どんな関係を構築できるか今からとても楽しみだ。

WWD:来春には銀座への新規出店も決まっている。所在地はどこになる?

クリニザック:中央通り沿いだ。銀座への出店も日本でのブランド運営において大きな意義を持つ。