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「クリスチャン ラクロワ」を20年率いたCEOが退任 1月にスペインのテキスタイル大手が買収

フランスのメゾン、クリスチャン ラクロワ(CHRISTIAN LACROIX)を20年にわたって率いたニコラ・トピオル(Nicolas Topiol)最高経営責任者(CEO)は、退任することをビジネスSNSの「リンクトイン(LinkedIn)」で明らかにした。同ブランドは1月7日、スペインのテキスタイル企業ソシエダ・テクスティル・ロニア(SOCIEDAD TEXTIL LONIA以下、STL)に買収されており、同氏はこれを機に退任を検討し始めたという。現時点で後任は発表されていない。

民事再生法の適用後はライセンス事業に注力

「クリスチャン ラクロワ」は、「エルメス(HERMES)」や「パトゥ(PATOU)」などで経験を積んだデザイナーのクリスチャン・ラクロワと、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)のベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼CEOが、1987年に共同で設立した。歴史劇の衣装のように華やかでファンタジックな作風で人気を博したものの、よりミニマルなスタイルが主流となるにつれて失速し、2005年には米小売り企業ファリック・グループ(FALIC GROUP以下、ファリック)が買収。トピオル前CEOは、このタイミングでクリスチャン ラクロワに加わっている。09年には、創業から累積でおよそ1億5000万ドル(約216億円)の損失となっていることが響き、経営破綻の危機に。民事再生法が適用されたが、ラクロワ創業デザイナーはブランドを離れた。その後、ファリックによる再建案が裁判所に受理され、同ブランドはトピオル前CEOの指揮の下、莫大な費用がかかるオートクチュール部門とウエア部門を終了。アクセサリーやライフスタイルカテゴリーのライセンス事業を軸とする方向にかじを切った。

トピオル前CEOの今後は?

なお、STLの広報担当者によれば、クリスチャン ラクロワ側の人員が少ないこともあり、経営に関する責任は全てSTL側に移っているという。トピオル前CEOは今後、M&Aや戦略的投資に関するアドバイザリーであるベッヘルト・コーポレーション(BECHERT CORPORATION)の社長職に注力する。

ラクロワ創業デザイナーは、主に欧州のオペラやバレエ作品の衣装デザインを手掛けているほか、「デシグアル(DESIGUAL)」と複数シーズンにわたって協業している。

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