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編集長はパリコレで何した?Vol.3 「マルジェラ」で“モード”注入、「ドリス」が最高!そしてケイト・モスに翻弄される

 こんにちは。「WWDジャパン」編集長の向(むこう)千鶴です。パリコレ3日目はおしゃれするも雨に打たれる朝に始まり、ケイト・モス(Kate Moss)の大幅遅刻で予定が大幅に狂う夜で終わるという、パリコレらしい一日に。そんなあれこれも「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」の会心作を見れば全て帳消しになるのもまた、パリコレです!

9月25日(水)9:30
確立されてきた“カワイイ”
新「ランバン」像

 「ランバン(LANVIN)」のショー会場となったケ・ブランリ美術館の庭は素敵な空間なのですが、いかんせん雨で座席もしっとり。ブランドロゴがプリントされたカッパを着てショーを見ました。

 「ランバン」は、ブルーノ・シアレッリ(Bruno Sialelli)体制で2シーズン目。そのデザインはカワイイのですが、彼が「ロエベ(LOEWE)」でジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)直属のメンズウエア・デザイン・ディレクターだったというキャリアから、どうしても“ジョナサンっぽい、果たして「ランバン」とは?”と言いたくなります。が、先日知り合った彼の元同僚いわく「まさにあれが彼の持ち味だから当然」とのこと。なるほど。2シーズン目にしてブルーノ流“カワイイ”「ランバン」像が確立されており、新しい顧客を獲得しそうです。

12:00
「メゾン マルジェラ」でモード注入

 「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」は全ルックの熱量が高く、見るだけで“モード注入完了!”というテンションに。穴が開いた服だからといって、“抜け感がある”とは大違いで、むしろその逆です。モデルも前のめりで速足。特にハイヒールブーツをはいた彼のウォーキングは凄い迫力で、見ているこちらも思わず前のめりに。情熱は人を巻き込むのです!

13:00
「カルティエ」でダイヤモンドの
力をもらう

 ジュエリーは疲れている時より、元気な時に見た方がよい、が自論です。パワーがある時はそれが倍増するし、弱っている時は負けちゃう気がするから。「カルティエ(CARTIER)」の“パンテール”とくればなおさら。上の動画は、リングからバングルまで、ひとつひとつの“パンテール”と目を合わせながら撮影をしたので彼らに飲み込まれないよう、座してごらんください。

13:30
「ショーメ」で若手カメラマンの
仕事に惚れる

 「ショーメ(CHAUMET)」がサンジェルマン通り165番地のブティックで開催中の展覧会「オートルモン」へ。ジュエリーを髪に飾るなどスタイリングで遊んでいるのですが、注目の次世代フォトグラファー、ジュリア・ヘッタ(Julia Hetta)の写真はファッション写真というより一人の人物を切り取った肖像画みたい。引き込まれて5分滞在の予定がオーバーし、焦る。

14:00
「ネヘラ」のフィナーレに駆け込み

 「ネヘラ(NEHERA)」独特の優しい生地&色使いのフィナーレにドタバタをしばし忘れてホッとしました。

15:00
「ドリス ヴァン ノッテン」の
コラボ相手は……

 ランウェイの作り方にもトレンドがあり、最近はフラット&自然光が主流です。だから「ドリス ヴァン ノッテン」が今回採用した、客席からモデルを仰ぎ見る高いランウェイは、ザ・ファッションショー&90年代的であり、久しぶりです。

 そしてドリスが協業のために迎えたのはなんと、クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)でした。フィナーレに2人が登場した時には、意外な組み合わせに思わず「え!」と声を上げましたが、10秒後には「なるほど!」と納得。プリントや刺しゅうを得意とするドリスの感性に、同じく色彩使いが巧みなラクロワの感性が重なるという、いわば職人と職人の協業は、見事なハーモニーを奏でていまいた。いわば、井上陽水と玉置浩二の「夏の終わりのハーモニー」的な?デヴィッド・ボウイ(David Bowie)とビング・クロスビー(Bing Crosby)のクリスマスソング的な?というのは冗談ですが、王道なファッションショーを通じて美しい服をきちんと見せようというドリスの意思が伝わってきます。ジャカードやプリントで色柄を大胆に合わせた美しい服をぜひ動画でどうぞ。

17:30
大阪・上田安子の学生たちを応援に

 年に何度か講義を持っている大阪の上田安子服飾専門学校がショーを開くというので応援に行きました。学校と言っても彼らは合同展示会トラノイに出展をして5年目で、世界15か国に取引先を持ち利益を出しているところがポイント。ショーでは日本の産地とコラボレーションし、一枚の四角い布から生まれる造形をコンテンポラリーダンサーが着て表現していました。

 授業参観の親みたいな気持ちで見てはいかん、私はプロなのだ、と思うものの、知った顔の若者がいたって真面目にプレゼンをしている姿を見るとどうにもバイヤスがかかり、ニヤニヤしてしまう。学生諸君、お疲れ様でした。ちゃんと伝わったよ。次は仕事の現場で会いましょう!

18:30
「エルメス」のシューズ展示会

 ピエール・アルディ(Pierre Hardy)による「エルメス(HERMES)」のシューズの展示会で、シャトレのオペラ座へ。日焼けしたらHの跡が残りそうなこの定番サンダル、好きです。こんな大胆な柄が登場します。“シェーヌダンクル”モチーフを使ったハイヒールなど太めハイヒールも充実していました。展示会後、お手洗いを探して館の中を歩き、扉を開けるとそこは劇場でした。誰もいない劇場ってなんか、ロマンチック。

19:00
「ディオール」のオープニングで
モナちゃんに会う

 「ディオール(DIOR)」がシャンゼリゼ大通りにオープンした新店のオープニングへ。3層の店内は開放的で、入りやすい雰囲気です。店頭のインスタレーションには大勢の観光客が集まっていました。店内の中央でDJをしていたのは松岡モナちゃん!NY暮らしが長くなったモナちゃんだから会うのは久しぶり。笑顔をありがとう。

20:00
ケイト・モスの
“ファッション・レイト”で
夜の計画崩壊!

 「ザディグ エ ヴォルテール(ZADIG & VOLTAIRE)」のスペシャルゲストのケイト・モスが来場したのは、オンタイムから1時間が過ぎてから。そしてショーが始まったのは21時10分という、1時間押しに。結果、行きたかったカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)へのトリビュートイベントなどに行けず(来場した村上隆さんに会いたかった!!)、ディナーの相手を待ちぼうけにさせることに。パリコレの夜はこんなものでもあるし、私の読みが甘かったと言えばそれまでだけど、でもケイトに一言モノ申したい!時間は誰にも平等に重要なのよ(泣)。