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「シャネル」がパイナップル由来の“レザー”帽を発売

 「シャネル(CHANEL)」は、パイナップルの葉の繊維から作られるレザーに似た天然素材「ピニャテックス(Pinatex)」製の帽子を発売した。2019年プレ・フォール・コレクションで発表されたもので、価格は2300ドル(約24万円)。

 同ブランドは以前からサステイナビリティーや動物愛護を推し進めており、18年12月には爬虫類の革などを指すエキゾチックレザーと、毛皮の使用を以後廃止すると発表した。その際には、「われわれはサプライチェーンを継続的に見直し、誠実性や追跡可能性が当ブランドの基準を満たしているかを確認している。最近は当ブランドのエシカル(倫理)基準を満たす高品質なエキゾチックレザーの入手が困難になってきていることから、今回の決断に踏み切った」と声明文でその理由を説明している。

 「ピニャテックス」の開発・製造会社アナナス・アナム(ANANAS ANAM)を設立したカルメン・ヒホサ(Carmen Hijosa)創業者は、長年にわたってレザーグッズのデザインや製造に携わっていた。しかし1990年代にフィリピンの皮革貿易会社を訪問した折に、レザーの生産がいかに環境に負荷を与えるかに衝撃を受けて代替品の開発に着手したという。そこで目を付けたのが、フィリピンの主要な農産物であるパイナップルの葉だ。同氏は、あまり使い道がなく果実の収穫後には何千トンと廃棄されるその葉の研究開発を7年間続け、強くて柔軟な繊維を抽出することに成功した。

 「ピニャテックス」を1平方メートル作るには、およそ480枚の葉を必要とする。これはパイナップルの樹16本分ほどだ。アナナス・アナムが契約している農家は、これまで廃棄していた葉を売ることで新たな収益を得られるようになった。また、繊維の生産工程で残った資源は肥料として農場にまくことができるという。

 環境にやさしく、レザーのように見えるこの天然素材「ピニャテックス」に注目しているのは「シャネル」だけではない。「H&M」がサステイナブル素材を駆使したハイエンド・コレクション“コンシャス・エクスクルーシブ(CONSCIOUS EXCLUSIVE)”の2019年春夏コレクションで「ピニャテックス」製のジャケットとブーツを発表したほか、ヒューゴ ボス(HUGO BOSS)が手掛けるメンズブランド「ボス(BOSS)」も同素材を使用したスニーカーを6月に発売している。