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米スニーカー小売り大手フットロッカーがZ世代獲得のための新プロジェクト 若手日本人デザイナーも紹介

 米スニーカー小売り大手のフットロッカー(FOOT LOCKER)は、若者を育成して事業のアイデアなどを開発するインキュベーション・プロジェクト「グリーンハウス(GREENHOUSE)」を9月に開始する。

 同プロジェクトは大きく分けて「コラボレーション」「コンセプト」「シンクタンク」という3つの部門から構成されており、ストリートウエアの専門家であるメル・ペラルタ(Mel Peralta)が全体を統括する。またフットロッカーのマーケティングなどを手掛けている米コンサルタント会社チーム・エピファニー(TEAM EPIPHANY)がプロジェクトのコンサルティングを行う。

 「コラボレーション」では、ストリートブランドの「ルード(RHUDE)」や「ダイエット スターツ マンデー(DIET STARTS MONDAY)」、若手デザイナーのニコール・マクラフリン(Nicole McLaughlin)などが協力することが決定している。また「パブリック スクール(PUBLIC SCHOOL)」のダオ=イー・チャオ(Dao-Yi Chow)共同創業者が、環境に配慮した新ブランドを「グリーンハウス」から立ち上げる。

 ペラルタによれば、チャオ共同創業者は、ビーチの清掃や公園でのペンキ塗りなどコミュニティーの役に立つことをしないと購入できない仕組みにすれば、環境にやさしい商品に対する消費者の態度も変化するのではないかと提案したという。「ドロップ(発売)ごとに異なる条件にして、環境へのやさしさについて毎回異なる視点で考えられるようにすれば面白いのではないか。商品そのものは100%環境にやさしいわけではないが、何らかの形で環境にやさしい商品ばかりになる」と述べた。

 ペラルタはまた、「“市場は嘘をつかない”というのが私たちのモットーで、ここでいう“市場”とはZ世代のキッズたち、そしてユースカルチャー全体のことだ。今彼らに大きな影響を与えているのは誰か、キッズが最も反応する相手は誰なのかを見極める必要がある。消費者の動きは非常に多様なので、一つのコミュニケーション方法だけではこちらの声をユースカルチャーに届けることはできない。フットウエアやアパレル、アクセサリー、ミュージシャン、アーティストなど、さまざまな切り口があることが重要だ。そして若く新しいブランドが、大企業などと取引する際に付き物の煩雑な手続きに埋もれることなく仕事ができる空間を作るにはどうすればいいのかも考えた」とプロジェクトについて説明した。

 コルトレーン・カーティス(Coltrane Curtis)=チーム・エピファニー創業者兼最高経営責任者は、「フットロッカーほど大きな会社組織と、設立されたばかりの小さなブランドがコラボなどをする場合、コミュニケーションの取り方に苦労することがある。『グリーンハウス』はフットロッカーとそうした提携ブランド、そして消費者の間を取り持つのにちょうどいい存在になると思う。フットロッカーにとっても、『グリーンハウス』を通じて市場の時流を素早くつかむことが可能になるので、取引先との関係にも役立てることができるだろう」と語った。

 今回のプロジェクトでは、ほかにもクリエイターやブランド向けの「クリエイターシリーズ(CREATOR SERIES)」、「東京ファッションアワード(TOKYO FASHION AWARD)」の受賞者向けの「ショールーム・トウキョウ(SHOWROOM TOKYO)」、新進ミュージシャンが対象の「グリーンハウス・サウンズ(GREENHOUSE SOUNDS)」、著名アーティストがスニーカーをデザインする「キャンバス(CANVAS)」など、さまざまなプログラムが用意される予定だ。

 フットロッカーは、米スニーカー売買仲介のゴートグループ(GOAT GROUP)に1億ドル(約106億円)、デジタルファースト企業のカーボン38(CARBON38)に2500万ドル(約26億円)、子ども服メーカーのロケッツ・オブ・オーサム(ROCKETS OF AWESOME)に1250万ドル(約13億円)、ウィメンズアクティブウエアのスーパーヒロイック(SUPER HEROIC)に300万ドル(約3億1800万円)、フットウエアのデザイン学校ペンソール・フットウエア・デザイン・アカデミー(Pensole Footwear Design Academy)に200万ドル(約2億1200万円)など、出資も積極的に行っている。