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“スニーカー版商品取引市場”ストックXが49億円を調達 年間取引額は1000億円超えへ

 株式市場と同様の仕組みを採用したオンライン商品取引市場ストックX(StockX)は、旧グーグル・ベンチャーズ(GOOGLE VENTURES)のGVやバッテリー・ベンチャーズ(BATTERY VENTURES)などの米シリコンバレーの大手ベンチャーキャピタル(VC)から4400万ドル(約49億2800万円)の資金提供を受けた。

 2016年に米国人のスニーカー・コレクターであるジョシュ・ルーバー(Josh Luber)、グレッグ・シュワルツ(Greg Schwartz)、ダン・ギルバート(Dan Gilbert)の3人が米デトロイトで立ち上げたストックXだが、当時はビジネスとしてやっていけるのか懐疑的だったという。しかし約2年で急成長し、実店舗の立ち上げや小売業での展開、そして株式上場を目指すまでになった。またVCからの資金を元手に、鑑定サービス施設の充実、品ぞろえの強化、国外市場でのビジネス拡大に力を入れるという、まさに昇竜の勢いだ。

 ジョシュ・ルーバー=ストックX 共同創業者兼最高経営責任者(CEO)によると、同社の現在の日次流通総額は約200万ドル(約2億2400万円)で、クリスマス商戦までに年間流通総額が10億ドル(約1120億円)になると予測する。従業員数はこの2年で数十人から400人にまで増え、良い人材が見つかれば1000人まで雇用を伸ばしたいともいう。

 ストックXの強みは株式取引所と同じように商品にリアルタイムの価格が設定されることだ。また、詳細な市場分析、個別ポートフォリオのトラッキング、販売履歴や販売数量などのデータを顧客に提供することで、透明性、信頼性、匿名性の高い活発な市場になっているという。取引された全ての商品は、真偽鑑定をされて、出荷される。

 スニーカーやストリートウエアの売れ筋アイテムは“エア ジョーダン(AIR JORDAN)”をはじめ、ブランドでは「アディダス(ADIDAS)」「ナイキ(NIKE)」「シュプリーム(SUPREME)」「ア ベイシング エイプ(R)(A BATHING APE(R))」「パレススケートボード(PALACE SKATEBOARDS)」「キス(KITH)」で、17年のクリスマス商戦の売り上げはそれまでの5倍増だった。

 ハンドバッグや腕時計の販売も順調だ。17年に販売を開始したハンドバッグは当初は4ブランドのみを扱っていたが18ブランドに増えた。トップセラーは「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ゴヤール(GOYARD)」「グッチ(GUCCI)」「シャネル(CHANEL)」。人気の腕時計ブランドは「ロレックス(ROLEX)」「オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)」「オメガ(OMEGA)」だ。

 同CEOはこれまでのビジネス成長を振り返り、将来的には委託販売市場から小売チャネルになることが目標だという。例として1月に「ナイキ」が再リリースしたNBA選手のレブロン・ジェームズ(LeBron James)とコラボしたレトロスニーカーをストックXが独占販売したことを挙げ、「『ナイキ』がスニーカーを再リリースするなんて初めてのことだったからすごく盛り上がった。レブロン・ジェームズが所属する『クリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)』がNBA 2015-16シーズンで優勝した当時のチャンピオンシップコートの床などを資材にして作ったボックスにスニーカーを入れ、16年のNBAチャンピオンリングを添えて販売した。次はストリートウエアの新商品を年明けに発売する予定だ」と話した。新商品の詳細については明らかにしなかった。

 実店舗の開店にも積極的だ。店舗のコンセプトも考えており、ニューヨークとロサンゼルスが候補地だという。ロンドンではもうすぐオペレーションセンターなどの運営を開始する。「世界的にビジネス規模を広げていきたいが、ヨーロッパ市場が一番大事だ。日本や中国でも提携先を検討している。新たなスタートを切る気分だ。楽しいことがたくさん起こりそうだ」。