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ミラノコレが変わる 9月からキーブランドをバランスよく配置するスケジュールに

 イタリアファッション協会(Camera Nazionale della Moda Italiana)は7月4日、今後のミラノ・ウィメンズ・ファッション・ウイーク(以下、ミラノコレ)のスケジュールに関する変更を発表した。「グッチ(GUCCI)」や「プラダ(PRADA)」をはじめ、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」「フェンディ(FENDI)」「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「マックスマーラ(MAX MARA)」「マルニ(MARNI)」「サルヴァトーレ フェラガモ(SALVATORE FERRAGAMO)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」の8ブランドからなる委員会を発足。会期前半に影響力の大きなブランドのショーが固まり、後半がしりすぼみになってしまうバランスの悪さを是正し、ファッション・ウイークのシステム全体とミラノの街に便益をもたらすことを目指す。

 変更のポイントは、毎日目玉となるブランドを配置すること。そのため、シーズンごとにキーブランドのショーの日時は大きく変わる。9月に行われる2020年春夏ウィメンズ・コレクションでは、これまで初日午後に開催することが多かった「グッチ」が終盤の22日午後に移動。代わりに、これまで「フェンディ」や「マックスマーラ」「モスキーノ(MOSCHINO)」などもそろう2日目の夜が定番だった「プラダ」は、初日の18日午後にショーを行う。一方、20年2月に開催される20-21年秋冬ウィメンズ・コレクションでは、「グッチ」が初日に戻り、過去に最終日にショーを行っていたこともある「ジョルジオ アルマーニ」が終盤を盛り上げる。その後も各ブランドの協力を得て、ローテーションを組んでいくという。

 ロンドン・ファッション・ウイークとパリ・ファッション・ウイーク(パリコレ)に挟まれるミラノコレは近年、スケジュールの調整に苦慮してきた。その大きな要因は、パリコレがスタートを前倒しして、ミラノコレ最終日の夕方にパリの公式スケジュールで注目の若手ブランドが発表するようになったこと、そして、若手が大半だった以前のパリコレ初日(現在は2日目)に「ディオール(DIOR)」と「サンローラン(SAINT LAURENT)」が移ってきたことなどで、これによりエディターやジャーナリストのパリへの移動が早まった。また、以前はミラノコレ終盤に披露していた「マルニ」や「MSGM」「ジル・サンダー(JIL SANDER)」もここ数シーズンで日程を早めたほか、「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」の大規模なプレゼンテーションが初日のハイライトに加わり、その結果、前半から中盤にかけてはいっそう過密スケジュールになっているのが現状だ。

 現在のミラノコレは、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)率いる「グッチ」を筆頭に、デザイナーが交代して刷新された「ジル・サンダー」「ボッテガ・ヴェネタ」「マルニ」などによって面白みが増しつつある。また男女合同ショーが多いのも特徴で、9月には「ヌメロヴェントゥーノ(N21)」もそのラインアップに加わる。今回のスケジュール変更に向けた取り組みが、ミラノコレの存在感を再び高める一手になることに期待したい。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。