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「マックスマーラ」がドイツでショーを開催 ベルリンの壁崩壊から30年を記念

 「マックスマーラ(MAX MARA)」は6月3日、2020年プレ・スプリング・コレクションのショーをドイツ・ベルリンの新博物館(NEUES MUSEUM)で開催した。今回のショーは、ベルリンの壁崩壊から30年を記念すると共に、その歴史や文化、建築で知られるドイツの首都の復興にオマージュを捧げるもの。コレクションにも、ドイツやベルリンに紐づいた要素がちりばめられている。

 会場の新博物館は、もともと19世紀半ばにフリードリッヒ・アウグスト・シュテーラー(Friedrich August Stueler)が設計。しかし、第2次世界大戦で壊滅的な被害を受け、約60年間修復されることなく風雨にさらされてきた。その後、2003年からデイヴィッド・チッパーフィールド(David Chipperfield)が元のファサードや内装を生かしながらの修復に取り組み、09年に再び一般公開された。そんなベルリンの歴史と復興を物語る同館がファッションショーに使用されるのは今回が初めて。アートと深いつながりがあり、常に建築に通じるアプローチでデザインを手掛けるブランドらしいロケーションだ。

 コレクションのベースとなるのは、この街で生まれ育ったドイツを代表する女優兼歌手のマレーネ・ディートリッヒ(Marlene Dietrich)と、かつてベルリンに暮らしていたデヴィッド・ボウイ(David Bowie)をほうふつとさせるスタイル。テーラードジャケットやワイドパンツ、トレンチコートを筆頭に、ラップコート、テディベアコート、プリーツスカート、リブニット、テーラードのジャンプスーツ、ドレスなどをそろえ、「マックスマーラ」が得意とするワントーン・コーディネートで提案した。中でも印象的だったのは、後半に登場した透明感のある白のルック。1710年に創業したドイツの名窯「マイセン(MEISSEN)」の磁器から着想した花の立体的な刺しゅうを肩周りに施したほか、博物館の展示作品からヒントを得たプリミティブなフリンジやきらめくラメでアクセントを効かせた。

 また、今回はブランド初の試みとして本格的なジュエリーを製作。「デビアス(DE BEERS)」のクリエイティブ・ディレクターなどを務めたジュエリーデザイナーのリーマ・パチャーチ(Reema Pachachi)とのコラボレーションにより、「ベルリン・ゴールド・ハット(Berlin Gold Hat)」をはじめとする博物館の展示作品から着想を得たネックレスやブレスレット、イヤリングを披露した。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。