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プラダが毛皮の使用削減を明言 動物保護団体の猛抗議を受けて

 プラダ(PRADA)は動物保護団体によるリアルファー使用廃止を訴える国際キャンペーンでの猛抗議を受け、毛皮製品の使用を「徐々に確実に削減」すると明言した。

 動物保護団体による同キャンペーンは、オランダ・アムステルダムを拠点とする国際団体ファー・フリー・アライアンス(FUR FREE ALLIANCE)を筆頭に、日本を皮切りに9月6日から始動。30カ国以上から40の動物保護団体が、毛皮の使用をやめるようSNS、電話、メールなどでプラダに対して抗議行動を起こすことを呼び掛けた。

 これに対してプラダは11日に発表した声明で、「グループのブランドのすべての広告キャンペーンは、ファッションショーや店舗内のディスプレーを含み、消費者からの要望を反映して、こうした毛皮商品をしばらく打ち出していないことを強調しておきたい」と前置きし、「動物の倫理的扱いを求める人々の会(People for the Ethical Treatment of Animals以下、PETA)からの質問に社長が回答した通り、全製品中こうした製品の使用は0.1%未満を占める段階までこれまで徐々に、だが確実に削減した」と説明。さらに従業員のプライベートのメールアドレスを含むプラダのメールアドレスに数千もの抗議メールが動物保護団体から届いたことを明らかにした。

 また、「プラダはコレクションで使用する素材の研究と技術革新に努めている。そして最近では、サステイナブルな生産を実現し、動物由来の素材の代わりとなる化学繊維の使用を増やしている。ブランドのアイコン的素材で、最新コレクションの核でもある“プラダ ナイロン”がその適例だ。この素材は、生産段階で環境への影響を減らすことを目的としたグループ戦略の一環で、リサイクルされた糸で作られたナイロンを供給するべく、すでに生産者側と最終合意の段階に入っている」と具体的なサステイナブル戦略も明らかにした。

 さらに、「動物の幸福を含み国際的に取り組むべき課題に対し、われわれは厳格で体系的な管理ができるサプライチェーンを採用している。このサプライチェーンは法律で求められているものよりも厳格な点が多い。そしてこれまで協業してきた生産者との関係を断ち切ることはないと考えている」と、サプライチェーンの今後にも言及した。

 すでに毛皮不使用を表明しているブランドは「グッチ(CUCCI)」「ヴェルサーチ(VERSACE)」「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」などがある。「バーバリー(BURBERRY)」も毛皮の使用を禁止することを表明したばかりだ。

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