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リーバイスが中国の生産拠点の移転を検討 米中貿易戦争に備え

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が仕掛ける対中貿易制裁措置によって米中貿易戦争の恐れが高まる中、リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS & CO.以下、リーバイス)のチップ・バーグ(Chip Bergh)社長兼最高経営責任者(CEO)は、この緊急対応策として中国の生産拠点の移転を検討していることを明らかにした。

 トランプ大統領は3日に中国からの輸入品に関して500億ドル(約5兆3000万円)規模の課税対象リストを公布。対して中国はアメリカからの500億ドル(約5兆3000万円)規模の輸入品を対象に課税を課すと発表した。ここでは衣料品に対する課税は免れたが、これに対してトランプ大統領は追加関税の対象を1000億ドル(約10兆7000億円)分拡大すると5日に発表している。

 バーグ社長兼CEOは、衣料品や靴製品もこの1000億ドル(約10兆7000億円)の課税の対象になるだろうと見ており、「リーバイスは、米国輸出向けの生産拠点を中国から移す柔軟性は持ち合わせている。どの企業も同じ対策をしようとしているためすぐに実行することは難しいが、長い目で見ればこの課税で受けるダメージを相殺することが可能だ。中国との貿易戦争は良いことではない。米国への輸出品が課税されれば多くの生産業を通じて、最終的に消費者も影響を受けるだろう。アメリカ経済、そしてアメリカの消費者にとっても良くない」と語った。

 バーグ社長兼CEOが懸念するのは中国との貿易だけではない。トランプ政権が進める北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉によって、「メキシコから北米への輸入量はかなり多い」としているリーバイスに影響が出る可能性は大いにある。

 しかしこれらの問題について「楽観的であり、早急に解決されることを期待している」とバーグ社長兼CEOはコメントしたが、この期待通り中国の習近平国家主席は10日に銀行や自動車などのセクターを開放すると表明し、これに対してトランプ大統領はツイッターに「習主席の言葉に深く感謝する。一緒に大きく前に進めるだろう」と投稿し、緊張緩和の兆しが見え始めている。

 また、「リーバイス」のデニムのアイコンでもある“レッドタブ”の商標権が侵害されたとしてケンゾー(KENZO)を提訴した件についてバーグ社長兼CEOは「ブランドは会社として最も重要な資産の1つ。それを守ることは当然のことだ。われわれは友好的に解決しようとしているが、協力が得られなければこうなる。われわれのトレードマークを脅かす者は容赦無く攻める。以上だ」と強気の姿勢を見せた。一方、ケンゾーからのコメントは得られていない。