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「マメ」のショーに今季もアマゾンの本気を見た! 無機質な空間で際立つ繊細なエレガンス

 2018-19年秋冬の「アマゾン ファッション ウィーク東京(Amazon Fashion Week TOKYO以下、AFWT)」が19日に開幕しました。初日はウェブ発表も含めて9ブランドのショーがありましたが、ハイライトは「マメ(MAME KUROGOUCHI)」のショーでした。

 ご存知の方が多いと思いますが、「マメ」は黒河内真衣子さんが10年に立ち上げたブランドです。これまで、展示会のみの発表でぐんぐんと卸先を広げてきましたが、東京都と繊維ファッション産学協議会が今季からスタートしたデザイナー支援の取り組み「ファッション プライズ オブ トウキョウ(FASHION PRIZE OF TOKYO)」への選出を受けて、今季はパリコレ中にプレゼンテーションを実施、東京でも初のショーを開催という運びになったのです。ブランド立ち上げの展示会から取材させてもらっている記者としては非常に感慨深いと同時に、「私ももっと頑張ろう!」という気持ちにさせてもらったショーでした。

 登場したお洋服はもちろんとってもきれいで素敵だったんですが、それは「WWDジャパン」の次週パリ詳報号やウェブにあがっているルック写真でご確認いただくとして、ここではショーの会場にまつわる話を。

 このショー、会場は東京・品川のアマゾンジャパン(AMAZON JAPAN)の撮影スタジオでした。こちら、3月15日にオープンしたばかりで、ファッションECのための動画・写真撮影スペースや編集スペースを備えています。「マメ」のショーの前には、スタジオ内で有力ファッション・メディア編集長を招いた会食をアマゾン ファッション(AMAZON FASHION)主催で開き、ショー後には同じくスタジオ内で来場者皆が楽しめるパーティーも開催。言わばこのショーは、スタジオオープン記念のこけら落とし的な側面も持っていました。

 前シーズンの「サカイ(SACAI)」「アンダーカバー(UNDERCOVER)」の合同ショー(今回の「マメ」と同じく、アマゾン ファッション主催のプログラム「アット トウキョウ」として行われたもの)に引き続き、「ほら、アマゾンはファッション分野にもこんなに力を入れています」というイメージをファッション業界関係者に与えるには、今回の「マメ」のショーもバッチリだったと思います。

 アマゾンは、世界各地に4つの撮影スタジオを持っていますが、品川のスタジオは総面積が約7500平方メートルとその中でも最大級とのこと。全世界的に見て、アマゾンとしてファッションECは成長分野だそうですが、日本はファッションECというと「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」などが強い。そこに対して、アマゾン ジャパンもこのスタジオを拠点に、ファッション分野をより強化していきますよ、というメッセージをビシビシと感じた「マメ」のショーでした。そもそも、アマゾン ジャパンが東京のファッション・ウイークの冠スポンサーを務めているのも、「ファッションEC=アマゾン」という認知の向上という狙いもあるでしょうし、今後もアマゾン ジャパンがファッション分野でどういった仕掛けを行うか、目が離せません。

 ただ、そういった話は置いておいても、コンクリート打ち放し、天井の配線むき出しの無機質なスタジオに、「マメ」の非常に手の込んだ編み地のニットや、繊細な刺しゅうのガウン、はかないけれども凛としたドレスが登場すると、インダストリアルな空間との対比によって、お洋服たちの美しさがより際立って感じられました。パリのクラシカルな空間でのプレゼンテーションともまた印象が違ったのではないのかな、と思います。そうした点でも、非常にマッチしていたショーだな、と感じた次第です。

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