ファッション

人工クモの糸で160億円を調達したベンチャー、スパイバーの世界を変える素材革命

 「WWDジャパン」の2000号記念企画、ネクストリーダー14人のインタビューシリーズの最後を飾るのは、約1年半ぶりにメディアの前に姿を現したスパイバー(Spiber)の関山和秀・取締役兼代表執行役だ。同社の人工クモの糸“クモノス(QMONOS)”を使い、ゴールドウインと共同で商品化を進めている“ムーンパーカ(MOON PARKA)”は、そのプロトタイプから一見しただけでは単なる高機能のウエアのようだが、実は世界のエネルギー事情を根本から変えかねない、人工合成タンパク質で作られた歴史的にもエポックメーキングな一着だ。

 合成タンパク質を原料にする素材の開発は実は今、世界の製造業関連のスタートアップでは非常にホットな分野で、米国やドイツ、イギリスなど世界各地で激しい開発競争が繰り広げられている。

 だが、その中でもスパイバーは突出した存在だ。商業生産を前に、政府系金融機関や民間企業などから161億円もの資金を集め、山形県鶴岡市には世界中から優秀な人材が集結している。スパイバーとは一体何者なのか。そして関山社長が目指す素材革命は、アパレルの未来をどう変えるのか。独占インタビューをお届けする。



WWDジャパン(以下、WWD):メディアへの登場は久しぶりですね。

関山:約1年半ぶりです。この間、本当にいそがしくて。ここにきていろいろなピースがそろい、来年以降ようやくこの10数年の研究の成果が一気に出せそうです。

WWD:となると“ムーンパーカ”の発売は?

関山:“ムーンパーカ”はゴールドウインさんと共同で進めている案件であって、私の口から言えることはあまりありません。ただ、2015年の発表時点からも進化を続けていますし、かなり最終段階に近づいてきていることは確かです。“ムーンパーカ”に限らず、現在開発を進めているほとんどの製品はパートナーや取引先と秘密保持契約を結んでいて、用途や製品、商品化の時期などについて具体的なことは何も言えません。ただ一つ言えるのは、アパレル分野と自動車分野については重点的に研究していること。出資先にも、繊維・アパレルと自動車関連の企業が名を連ねています。

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