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アレキサンダー・ワンのメディア不要論!? “ギョーカイ人”なしのゲリラショー開催の意味は?

 「アレキサンダー ワン(ALEXANDER WANG)」が9月9日に開催した“2つのショー”が話題を呼んでいる。デザイナーのアレキサンダー・ワン(Alexander Wang)は、メディアやバイヤー、セレブ、インフルエンサーをブルックリンまで呼び寄せた夜9時半スタート(実際は1時間以上遅れた)のショーよりもずっと前に、彼らには一切の事前告知無しにマンハッタンのノリータ地区でゲリラショーを敢行。いわゆる“ギョーカイ人”に見せるよりも前に一般人に、しかも彼らにはマンハッタンのど真ん中で最新コレクションを見せたためだ。

 ゲリラショーでは、ベラ・ハディド(Bella Hadid)やケンダル・ジェンナー(Kendall Junner)ら、“ギョーカイ人”向けのショーと変わらないモデルが登場した。

 このショーについては翌日の10日にプレスリリースが配信され、ようやく存在が明かされた。とはいえゲリラショーの模様は、「アレキサンダー ワン」のPRを手掛ける会社の公式インスタグラムなどに即アップされ、夜9時半よりもはるかに早く情報は世界を飛び回った。それに気づいた“ギョーカイ人”は、ソーシャルメディアに強い人たちだけだった、というワケだ。

 ゲリラショーの存在を知ることができなかった “ギョーカイ人”は9日夜、わざわざブルックリンまでやってきて、寒空の下、立ったままで1時間以上待たされた。“ギョーカイ人”向けのショーは、全32ルックを淡々と見せて終了。ゲリラショーでは最後にモデルが全員で行進したが、“ギョーカイ人”向けのショーには華々しいフィナーレは一切なかった。

 これは、アレキサンダー・ワンらしいサプライズの一環。彼は「ブランドのホームであるトライベッカ(ノリータ地区の隣)を出発して、頭の中でお世話になっている“ギョーカイ人”のことを考えながらも、ノリータでゲリラショーを敢行。そして最後にブルックリンまでたどり着くストーリー。モデルからスタッフ、舞台装置に至るまでの全てをコンボイに乗せて大移動しながら2つのショーを行うことで、(ゲリラショーで生まれる)ストリートと(“ギョーカイ人”向けショーで生まれる)ラグジュアリーの力を合体させたかった」との旨のコメントを発したが、一部“ギョーカイ人”は自分たちが最初の目撃者ではなかったことや、わざわざブルックリンまで行ったこと、寒空の下で待たされたことに激怒している。

 加えて今シーズンのニューヨーク・コレクションは、インフルエンサーが増え続け既存メディアの招待枠が減少傾向にあるため、「『アレキサンダー ワン』は、ついに我々を必要としなくなったのでは?」と、自らの将来を心配するエディターさえ現れた。