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「キュレーション事業は白紙」DeNAが第三者調査結果を発表

 DeNAは3月13日、昨年12月のキュレーションサイト閉鎖騒動に関する第三者委員会の調査結果を発表した。第三者委員会は記事サンプルの調査や関係者へのヒアリングをもとに、複数の記事・画像について著作権侵害の可能性があることを認め、企業理念の見直しや事業構造の再検討が必要との結論を下した。

 これを受けてDeNAはトップの人事異動・処遇を発表。「メリー(MERY)」や「ウェルク(WELQ)」など10サイトのキューレションメディア事業を統括してきた村田マリ・執行役員メディア統括部長はDeNA子会社のiemo代表取締役も含め辞任する意向で、「メリー」を運営するDeNA子会社ペロリの中川綾太郎・代表取締役はすでに辞任した。また3月13日付で、創業者で南場智子・取締役会長が、代表取締役に復帰。守安功・社長とともに代表取締役2名体制で、経営の指揮を執る。守安社長は6カ月間報酬の50%の減給処分に、柴田大介・執行役員兼前経営企画本部長や小林賢治・執行役員経営企画本部長ら25人についても就業規則に基づく処分を行う。

 守安社長は一連の騒動について、「問題は3つ。事業において利用者に対する本質的価値を最優先に考えていなかったこと、メディアなのかプラットフォームなのかという事業の定義が曖昧であったこと、問題を早期発見・点検する体制に不備があったことだ。新規事業においては社外有識者の意見を取り入れるなど、客観視できる体制を整えていきたい。『DeNAは儲け主義だからこういったことが起きた』という声が社内外から聞こえ、非常に辛かった。信頼される企業として生まれ変われるよう、全ての意思決定を変えていくことを決意した」と説明をした。

 しかし、キュレーション事業の継続・再開については全くの白紙だ。南場会長は「楽しみにしていたユーザーも多く、復旧についての問い合わせもいただいた。ニーズは確かに存在する。しかし、同じ体制での再開はありえない。もちろん収益の柱になるようなこともない。何らかの形で新しいサービスとして再開することが可能かどうかを考える段階。自分が戻っただけで解決ができる問題ではないが、今後は2人で決定権を行使していきたい」と話した。

 会見を通して、調査結果や責任者の具体的な処遇、今後の方針については不明瞭な発言も目立った。特に、今後の方針や著作権保有者への対応について12月の釈明会見から大きな進展がないように見受けられる。事実、著作権に関しての問い合わせは3カ月のうちでわずか84件といい、すでに一部転載料については支払いが済んだというが、全サイトが閉鎖されていることもあって現在は当人すら転載事実の確認ができない。数万件あるともいわれる個々の著作権侵害については能動的なアプローチ法が見出せない現状だという。今ある記事に関する処遇・提言を避けたことについても記者から多くの質問が飛び交った。会場内からは「不祥事を受けて代表権のある取締役を増員することは理解しがたい」といった厳しい批判も相次いだ。

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