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トレンドは“肩”そして“袖” 久しぶりに肩パッドもあり!?

 連日の大雨で震えるパリからこんにちは。今シーズンのパリコレ取材チームで一番苦労しているのはスナップ隊でしょう。日本の夏のゲリラ豪雨のように、一日何回も土砂降りに見舞われ、気温が低いからホッカイロは意味なし。雨をよけて足早に会場に駆け込む人たちを撮影するため、傘もささずにショー会場周辺で写真を撮るためガッツを見せるスナップ隊に頭が下がります。

 パリで目を引くトレンドは、シルエットの変化です。ここ数シーズン、フェミニンな傾向が続いていますが、先シーズンからそこに少し強さがプラスされています。リラックス一辺倒のスタイルはさようなら!どこか一カ所に緊張感を残すスタイルが目立っています。リラックスムードは長らく続いているのでそろそろ緊張感が欲しい感覚、多くの人が感じているのではないでしょうか?

 強さを注入するパーツで注目したいのが肩。そして袖です。

 丈が長いボトムスで作るロングトルソーは引き続き。春夏は、ハイウエストにポイントを置くことで緊張感を加えていましたが、秋冬はアウターが主役なこともあり、ジャケットやコートの肩にポイントを置くスタイルが目立っています。肩パッドと言っても、“ザ・ナインティーズ”なパワーショルダーはさすがに気恥ずかしい。それより切り替えで肩にポイントを置いたり、肩章の代わりに羽根を飾って装飾することで肩を強調する方がリアルです。

 上手にパワーショルダーを取り入れていたのが、クレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)によるラストコレクションとなった「クロエ(CHLOE)」。多くのルックに肩パッドが入っています。カート・コバーン(Kurt Cobain)風のリラックスしたニットにも肩パッドを入れちゃうのがポイント。今の「クロエ」は、一見すると大きく変わらないノマド&シックなスタイルだけど、実はどこかにトレンド=時代の空気を入れています。クレアは最後まできっちりトレンドを見せてくれました。

 「ニナ リッチ(NINA RICCI)」の肩もほどよく力も抜けつつ、適度に強調されていました。「ニナ リッチ」独特の艶っぽい世界にウエスタンの要素をプラス。「カルヴェン(CARVEN)」時代にトレンドセッターだったギヨーム・アンリ( Guillaume Henry)が「ニナリッチ」でも本領を発揮してきたのではないでしょうか。

 ニューヨーク・コレクションの連載でもまとめていた“袖コン”はパリにも本当にたくさん出ています。特にブラウスなどインナーではこの“袖コン”が花盛りです。「ソニア リキエル(SONIA RYKIEL)」のようにニットで作る袖コンも秋冬は良いですね。

 最後に変わったところに強さを加えた例として「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」をご覧ください。

 「ステラ マッカートニー」は冒頭に“肩”と“袖”の両方を強調するスーツでさすがトレンドセッターの貫禄を見せつつ(ちなみにスーツもトレンドです)、一見するといつものように自然体でリラックスしているニットでは切り替えで、バストをツン!と強調しました。これは、自然とバストに目がいきますよね。さりげなく、かなり、攻めたルックです。こうやって強さを盛りつつ、フィナーレは今季もモデルたちが輪になって感性を上げながらダンス!会場を出てゆく人たちは自然と笑顔で、元気をもらっていました。