
高齢なのに背筋が真っ直ぐで、スリーピースの背広がよく似合う。トレードマークの口髭はダンディーというよりも、どこか愛嬌を感じさせる。そして何より柔和な福顔。
10月9日に91歳で亡くなったパルグループホールディングス創業者の井上英隆さんは、2025年に取締役を退くまで生涯現役を貫きました。
一代で連結売上高2347億円のファッション企業を作り上げた実力者です。なのに、口癖は「ファッションのことは、よう分からん」。こうも話していました。「『こんなおじいさんが若い子のファッションなんて分かるはずがない』という自己認識が基本にあった。だからファッションが分かる若い子を雇い、辛抱強く育てるしかない。そこから全てが始まっている」と。
創業初期から続く「拝啓社長殿」は、若手社員やアルバイトが社長に新規事業を提案する社内制度です。アイデアが採用され、結果を残してブランド責任者に抜擢された若手も少なくありません。役職や年齢に関係なくチャレンジできる社風は、成長の原動力になりました。新ブランドや商品開発だけでなく、SNS時代には小売業界で最も先進的といわれる社員インフルエンサーの活躍につながるのです。
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